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爽やかな日傘

今日は関東地方秋晴れのいいお天気でした。秋に入ってもお天気がいいと日傘を差している方を最近良く見かけます。夏に気をつけて「絶対UVカット加工の日傘でなくては!」と思っていた方はまだまだ油断できません。秋も紫外線対策してくださいね。

さて夏の終わりにご注文いただいて、まだお披露目していなかった日傘、ご紹介しますね。
今日みたいに爽やかな日にはこんな爽やかな日傘の気分です。

生地を受け取った時の第一印象は「触り心地、ひんやりすべすべ気持ちい〜ぃ♪」。
そして「お着物の生地なのかなぁ、でもちょっと異国っぽさもあり、どんな物語りを持って今ここに届いたのかなぁ」なんて考えながらお作りしていました。赤い市松模様がとっても可愛らしいです。

小さな連続柄に大きな色の変化があるので柄合わせを慎重にいくつか試したてからスタート。段違いに上手く揃うように、どこで繋ぐと綺麗かしらと念入りに。その甲斐あって思った通りに上手く繋がりました。紅白の柄が素敵でしょ。お届けするととても喜んでいただけて、お母様の残された布だと言うことをお聞きしました。何かのカタチに残したいとの思いからご依頼くださったそうです。

形見のお品だったんですね。いつも身近に持てる日傘を作るお手伝いができて良かったなぁと思います。そしてなんとなくその市松模様がずっと気になっていて検索して見ましたよ。手ぬぐいや風呂敷などにも良く使われる日本では伝統的な柄ですものね、どんな意味があるんでしょう。

そこでわかったのは、市松模様は模様が途切れることなく続いて行くことから、子孫繁栄や商売繁盛など、無限に繁栄して行く意味があるそうです。吉祥柄と言って縁起の良い柄なんですね。そんな素敵な意味があるんだと知ると、お母様の願いがそこに込められていたような気がして、ちょっぴり胸が熱くなってしまいました。

傘は良く身を守る例えにも使われるように、もしかしたらこの日傘を差しているとやさしい思い出に包まれて守られているように感じることがあるかも知れませんね。素敵な思い出と共にどうぞ大切になさってくださいね。

2021年11月10日

1年中の日傘

昨日は中秋の名月、お月様見られましたか?私は雲の隙間に綺麗に満月🌕見ることができました。

さて、夏に紹介の間に合わなかった日傘のご紹介をしています。
今日の日傘もオリジナルデザインからオーダーいただきました。

限られた中に四季が盛り込まれて美しいデザイン。自然の移ろいと空気感まで伝わります。透明感のあるところが涼しげですよね。素敵ですね〜。今日の見出しタイトルには「一年中の日傘」としたけど、素材が白いベースの綿なので秋冬は涼しそうすぎ。💦もちろん夏にご注文頂いてるので夏に思い切り楽しんでくださいね。鮮やかな色がきっと目を惹きます。

さてデザインは1コマづつ違った柄を繋いでいます。オーダーならでは。日傘に仕立てるには少し生地が足りないかなぁという時もこうして違う生地同士を組み合わせて作ることができます。今回はひとつおきに柄と無地を合わせていますが、柄柄、無地無地など組み合わせを変えるだけでもまた雰囲気が変わりますし、柄柄柄無地など4枚一組で考えても面白いですよね。

例えば骨董市で購入したお気に入りの布、袖1枚だったとしても日傘、作れるので諦めないでくださいね。他の生地と組み合わせてぜひぜひ楽しんでもらえたらと思います。ただ違う生地を組み合わせるときのポイントとしては、素材をなるべく揃えること。伸縮率が違うと、のちのち歪みが生じますので気をつけてくださいね。

それではまた。

2021年9月22日

会津もめんの日傘

そろそろ夏休み始まりましたか?こんにちは、夏はいつも何曜日だかわからなくなるパラソラです。7月お預かり分はお盆前にお届けを目標に作っていましたが、やっと目処が立ってあともう少しというところでワクチン接種2回目。どうか2回目も大きな副作用ありませんように。

さて今日ご紹介するのはとっても素敵な反物からです。お届けすると「シンプルな柄ですが、本当に素敵な日傘に変身しており、感激しました。」と素敵なメッセージをいただきました。ありがとうございます。私もうれしい。ほんと素敵な日傘だなぁって、惚れ惚れしながら作っていました。

カサっとした触り心地が暑い夏にとても気持ちがいいんです。色もとっても素敵。

反物はお祖父様とお叔母さまが住んでいらした会津若松にある山田木綿織元さんの『会津もめん』だそうです。

日傘って一年中ずっと使うものではないでしょ。だから好きにプラスして懐かしい思い出や家族に想いを寄せる物語が込められてるって素敵ですよね。初夏になったら、夏物を出してきて、日傘を手にする時にご家族や従兄弟たちとの夏休みの思い出がふわっと浮かんでくるんじゃないかなぁなんて想像しています。

出来上がりの日傘は少し可愛らしく丸みを帯びています。これは生地がしっかり織られていて伸びが少ないためです。張る塩梅が難しい生地です。今回も少しきつめですが、使っているうちにもう少し緩んで柔らかくなってくる思いますので、上手に育ててもらえたらと思います。

そして『山田木綿織元』さん調べてみましたよ。リンク先は観光ナビですが、お写真なども載っています。織物工場好きとしては興味津々。見学もできるんですって。友達が郡山にいるので今度遊びに行ったら連れて行ってもらおう。いつも行きたいとこある?って聞いてくれるのに温泉と「リカちゃんキャッスル」(これも工場ね)ぐらいしか思いつかなくて(^^;;

それにしてもまずは今の状況が落ち着かないとですね。いつもひとりで黙々と仕事をしているので、お客様が送ってくださる小さな情報が今回のように旅気分に浸れたり楽しい気分に誘ってくれるんですよね。ありがとうございます。

少し多めに生地をお送りいただいて袋も作りました。

傘袋、先を少し細めに作ります。たったこれだけで収まり良く持ちやすくなるんですよ。日傘を倒して折り目が汚れてしまった経験ありませんか?袋に入れて立てかけておけばそうしたうっかり汚れから守ることができます。シーズンオフにしまっておく時にもいいですよね。お預かりした生地は全てお返ししているので、着物の襟の部分や三角に残った生地でも作れますのでぜひ自作してみてくださいね。「お裁縫苦手だわ」って方は有料ですがお気軽にお問い合わせください。

2021年8月12日

大人の日傘

梅雨真っ盛り、大雨心配ですね。
連日の災害報道で自分が思っているよりずっと遠くにもアンテナを張って危険を想像しないといけないと思い知らされました。熱中症にもコロナにも気をつけて、でも心配ばかりにとらわれ過ぎないで心の健康も保って行かないとと思います。

さて夏前のこの時期、パラソラはなぜかいつも焦っています。そう梅雨明け前に日傘をお届けしたいと思う一心で、「今週中にあと何本できるかな、もう1本間に合うかな」とソワソワ。そわそわしてもしなくても出来上がるのは同じはず。ドーンと構えていられるといいんですけどね。

去年の今頃はみなさんおとなしく色々我慢してたでしょ、今年はその反動でお出かけやお買い物の機会が増えたのか、日傘が好調のようです。パラソラにもご注文が増えてきました。
サボり過ぎのblogも、日傘作りに追われてる証拠でございます。今日も頑張って作っていますのでご注文くださっている皆さまもう少しお待ちくださいね。

今日ご紹介の日傘は大人の日傘。素敵でしょう💕梅雨前にご注文いただきました。

反物で見るととってもシンプル。少し薄めの生地ですが日傘になると薄さは気にならなくてとっても素敵になるって経験からわかってきました。以前ご紹介したメダカの日傘もとても素敵でした。なので作りながら出来上がりを想像して「いい感じ〜」と思っていたのですが、最後につけたこの『小さな朱いボタン』。つけた途端、想像を遥かに超えて美人度ア〜ップ!もうもう素敵過ぎ💕

私こういうデザイン大好きです。まさに大人の夏!竹の手元もぴったりですよね。センスの良さってこういうさりげないところに出るのかもしれません。ボタンを主役にするも良し、生地を主役にするも良し、どちらも惹きたち惚れ惚れします。

パラソラの日傘、作るのが難しいものはオーダーではお受けしていないのですが、凝ったつくりばかりが素敵とは限らない良い例だと思います。空白を見せる日本人の美的感覚にぴったりくるのかもしれません。限られた条件の中でもこんなに素敵に出来上がるんです。オーダーの楽しさが伝わるといいなと思ってご紹介しました。ぜひ日傘選びにも参考になさってくださいね。

2021年7月6日

想像の翼を広げる日傘

こんにちは。
いよいよ暑さがやってきましたね。日傘屋としては「さ〜これから!」な気分ですが、まだまだ外出規制がありそうで、「電車でのお出かけも減って日傘の出番も少なめなのかな。」と考えていましたが、少し忙しくなると「ご近所へのお散歩でストレス発散してる方も多いのかな?」などと日々みなさんの過ごし方を想像しながら手を動かしています。

さてすっかりご紹介遅れましたが今シーズンオーダーメイド再開一本目の日傘をご紹介します。

「わぁ可愛い〜💕」届いた反物は封を開けた途端声が出ました。今ちょうど「花子とアン」の再放送をしていますけど、まさに想像の翼が広がっちゃう反物です。染め物は流石に発色が綺麗。と惚れ惚れしていると次の瞬間我に返って「作るの難しそう💦」。

手挿しの染めの一点もの。おまけに正絹、柔らかくて仕上がりを予想するのが難しい生地です。久しぶりだからなかなか始められず、身体的にも技術的にも柔軟性を高めてからにしようと体操したり小物縫ったり準備運動を散々してからスタートしました。

それにしても柄がとっても素敵でしょう。どんな物語が描かれているんでしょうね。どんないきさつでここに今あるのかな、と次々想像力やら妄想力やらを総動員して夢の世界に溶け込んでいたら、あっという間に出来あがりました。光を通すとキラキラ輝いてほんとにきれい。これからの季節お出かけが楽しくなること間違いなしの日傘になりました。

オーダーメイドの日傘を作る楽しみは、私の想像を超えた生地が送られてくるところにあります。あるときは可愛らしく、ある時はかっこよく、ある時はお上品に。色々な日傘が出来上がるのが本当に面白いですよね。流行とは関係ないところで個性が光ります。

今の時期は、作家さんや工房さんからのご注文が重なってなかなかblogでご紹介できる日傘がないのですが、これからはオーダーでは承っていない日傘などもご紹介できたらいいなと思っています。

2021年4月17日

浴衣から日傘へ

先週から梅雨入りしましたね〜。日傘屋もしばし休戦。ともいかず、こんな時こそコツコツ作っておりますよ。晴れる前にお届けしなくては!となぜか夏の前は気が焦ります。

今日の日傘は涼しげな浴衣からのご注文です。
パラソラでは、「浴衣の生地が一番綺麗に張れますよ。」「生地の厚さは大体浴衣の生地を参考に選んでくださいね。」と、ご紹介をしているので浴衣からのご依頼も沢山いただきます。浴衣になるはずだった新品の反物もあれば、お嬢さんやお祖父様の浴衣からなど物語も様々。

ご存知の通り浴衣や着物は反物をほとんどそのまま利用して組み立てられているので、解いてみると着丈の倍以上もある長〜い布地が2枚、袖の部分も細長い2枚の生地に戻ります。洗って縫い直したらまたパリッとするし、多少のサイズの違いも仕立てるときに調節すれば親御さんサイズからお子さんサイズにも仕立てられて何度も再生可能な万能衣服。着物を考え出した人はすごいですね。

着物を解きながらいつも思うんです、『着物』と『襖(ふすま)』考え出した日本人ってすごいって。襖も開けたり締めたりのみならず、取り外すこともできて部屋の大きさを自由に変更できるでしょ、西洋のように壁を作ってドア付けちゃったらこうはいきませんものね。着物も平たいまま身体に合わせて着られるようにデザインされていてサイズが自由になるのに生地を無駄なく使っていて考えた人天才!

そこで今日の日傘、実は解いたら長〜い反物のはずが、そうじゃなかったんです。(汗)普通は解いたら日傘2本分が裁断できるぐらい余裕があるはずなんですが、予想に反して長さは十分あるものの一部幅が細くて1本分さえ足りるかしらという心細さ。時々お洋服のように仕立てられた浴衣があるんです。現代風のお仕立て。浴衣としては勿論問題ないですが、日傘を作るとなると幅が足りないかもで解きながら、サイズを詰めようか、どう仕立てようかと内心ドキドキしていましたが、諦めなくてよかったです。ギリギリうまく裁断できました。

できてしまえば、この通り、涼しげなお顔で何事もなかったかのようにシュッとしているでしょう。背筋を張った美人さん。まるでやんちゃな女優さんのマネージャーにでもなったような気持ちでお客様の元へと送り出しました。とても爽やかで上品な日傘に仕上がりました。☺️

2020年6月15日

大人の日傘

昨日に引き続き、今日もお客様からのオーダー品をご紹介します。

パラソラのblogをご覧になって、日傘を作ることを思いついてくださったそうです。反物が届いて開封一番、「こんな素敵な反物を長い間寝かしていたなんて、なんてもったいなかったの!」って思ったお品、久留米絣です。お着物に仕立てるには少し裄(ゆき)が足りなかったそうなんです。何かに使えないか考えて考えて、「💡日傘にしよう!」って思いついた時のお顔はきっとキラキラしてたことでしょうね。目撃したかったなぁ。☺️とても素敵な日傘になりました。通常反物一反から日傘は3本作れます。残りでお揃いの上着やバッグ、鼻緒を作っても素敵です。

ところでこの日傘、実は作るのがとても難しいものでした。数日前にもご紹介していたんですが、普通に裁断するときつくて張れなくなってしまうもの。糊がしてあるので触り心地は最高なんですが、ミシンがけも難しく、リズムをとって整えながらかけていきます。これ動画撮れば良かったなぁと思う独特のミシンがけ。滅多にないんですが久しぶりに出会いました。でもこういうのがいつのまにか、調整して作れるように私も成長してるんですねぇ。作りながらひとり、出来なかった頃のことを思い出してしみじみしちゃいました。

パラソラのオリジナル商品としても、こうした大人の日傘を作ったらきっと人気なんですけど、何せ反物を仕入れて仕立てるとお値段が…😅なので、こうした日傘を購入しようと思ってもあまり売っていないと思います。きっと見つけても高級品。素材をお持ちならオーダーで作るのはとってもお値打ちだと思います。皆さんのお宅にも『我が家のお宝』がどこかで眠っているかもしれません。ぜひステイホームの機会に探してみてくださいね。

「うちにも確か押し入れに使ってない反物があったわ」なんて、思い出してご注文くださる方も結構いらっしゃいます。blogを通じてのお客様同士のご縁、ある日どこかで知らない誰かに「あら、私あなたのその日傘を見て、今差しているこの日傘を作ったのよ」なんて街で声をかけられる日が来るかもしれませんね。だって素敵な日傘は目立つし、類は友を呼びますもん。

次回は藍染に日傘ご紹介します。ではまた。

2020年5月30日

軽くて上品な日傘

今日ご紹介の日傘は反物から。

「いつか何かをと、大切にしまい込んでおりました。」と、お手紙と共にお送りいただきました。大切な反物から、とても素敵な日傘に仕上がりました。

 

竹の手元に竹の露崎を付けてしっとり大人の色香漂う日傘になりました。うーん素敵💕。神楽坂の石畳を歩いているうなじの綺麗な美人さんのような日傘です。なんと日傘の擬人化妄想。💦(笑)

少し薄めの生地も涼やかでこれまた良い感じです。風が抜けるのできっと差していても涼しいと思います。UV加工を気にされるお客様も多いですが、涼しさも気にしてもらいたい日傘選びのポイントです。暑さをしのぐ “小さな日陰” を持ち歩くのには、負担にならない重さも大事です。日傘が重くて汗ダラダラになっていたら残念ですものね。木棒に竹の手元の組み合わせ、パラソラの日傘の中でもとっても軽いです。それでいて風にも安定感があるので驚くほど手首がラク。鉄棒に慣れてしまっているとよりいっそう軽く感じると思います。どうぞ日傘選びの参考になさってくださいね。

不慣れなネットでのご注文を頑張ってこなしてくださいました。ありがとうございます。その甲斐あって、出来上がりは旦那様にも好評だったそうで、とても喜んでいただけました。奥様の持ち物をそうやって褒めてくださる旦那様って素敵ですね。熱中症に気をつけて、夏もたくさんお出かけしてもらえたらと思います。

2019年6月20日