月別アーカイブ: 2019年3月

野菜かごの日傘

今日の日傘、キーワードは『野菜かご』。

いつもオーダーの生地が届くと最初にするのが生地の確認。問題なくできるかな?難しいかな?と確認して、次にボタンや指示書は入っていないかな?と確認しています。時々お手紙が添えられていることもあります。小さなメモで、生地の物語が入っていたり、次のお出かけまでに使いたいなどなど。そんな時は夢いっぱいで楽しみに待って頂いてるんだなぁと私の想像のスイッチもポチッと入ります。そして今回のお手紙には、「竹の手元に合わせて露崎も竹にできますか?野菜かごのイメージなんです」とありました。

「もちろん竹の露崎大丈夫です!」そして私にもワクワクが伝わってきました。大急ぎで生地を広げて「わ!野菜がいっぱい!」とまたワクワク。そして作りたくてうずうず。(笑)

いいですよね〜、そういうイメージができるって。カゴじゃないけどカゴみたい。想像の翼、広がっちゃいますよね。そして出来上がったのがこちら。

野菜いっぱいの野菜かご日傘。可愛い💕
できる限り多くの野菜が入るように繋いでいますが本当はまだまだ入れられなかった野菜もあります。それでも大収穫な野菜かごになりました。

手元に付いてるボンボンが、パセリっぽくないですか?形というより味?(笑)色?今写真を見てたら青っぽい味思い出しました。粉ふきいも食べたくなってきました。形もくしゅくしゅ葉っぱみたいにも見えてきますね。

いつもなら翌日到着で発送するんですが、遠方なのと早く仕上がったのとで、1日余裕を見て到着するように発送しました。にもかかわらず、ヤマトさん早いです。センターまでひとっ飛び。ご依頼主さんもそれを聞いたら早いです。「我慢できずに取りに行っちゃいました!」って。(笑)

そんなわけで産地直送、新鮮なお野菜を新鮮なうちに日傘にしてお届けすることができました。夏のビタミン補給にもりもり使ってくださいね!

2019年3月26日

染物の日傘

先月の染めの小道でご相談いただいた日傘が出来上がりました。
大きな柄を二つ、小さな柄を二つ、長〜い反物をご自分で染められた反物からお作りしました。柄と無地を交互に配置しています。

染物ならではの素敵な色合い、大人の日傘にふさわしい落ち着いた仕上がりです。

こちらの日傘、スッとここに居りますが実はいくつもの行程を経て出来上がっています。せっかくなので今日は手仕事の尊さを少しだけご紹介しますね。

まず染める前にデザインを考えます。そして下絵を描き、糊を置いて色を挿していきます。と言っても紙に色を塗るようには行きません。Tシャツに絵を描いたり名前を描いたことがある方はわかると思うんですが、布に色を挿していくのはとても難しいんです。布の上は筆で描いても滑らないので、色のお水を一筆一筆染み込ませて染めていく感じです。

そして色を挿し終えると今度はその色を置いた所にロウでマスクをして背景になる全体を染め上げます。ロウを塗るのもロウが冷めるとすぐに固まってしまうので温めながら素早く丁寧にはみ出ないように筆を扱うのが難しいところです。一つ一つ慎重に積み上げていく友禅の技法、染物教室に通い始めてその価値がよくわかるようになりました。

そしてまだまだ続きます。最後に全体が染め上がった反物を高温で蒸しあげて、なんども洗ってから色止め。洗う作業も重労働。長い反物をたぐってたぐって糊を落とす作業を繰り返します。こうしてやっと染め上がった作品です。

お着物や帯になる道のりと同じように辿って出来た大切な作品をパラソラに託していただいています。もうそれはそれは責任重大。最初にハサミを入れるまで何度も確認して、それでもドキドキ。パラソラではハサミではなくて実際には包丁で直裁断します。だからなおのことドキドキ。包丁を研いでピッカピカにしてから作り始めました。

仕上がりはほんとに素敵。涼しいお顔で「日傘でございます。」と何事もなかったように凜としておられます。ご希望の木の露崎をつけて「思い通りの日傘に仕上がった」と喜んでいただきました。よかった💕私も一安心。そろそろ暖かくなってお出かけが待ち遠しい日傘になりました。

2019年3月25日