カテゴリー別アーカイブ: オーダーメイドの日傘

書の日傘

また夏をぶり返したような暑さになりましたね。でも風が爽やかでやっぱり秋の気配感じますね。
日傘作りをしている埼玉の仕事場でも今日は虫の音がセミからコオロギに変わりました。

今日ご紹介するのは書の作品から仕立てた日傘です。
生地の使い方、面白いですね。こうして色々な生地を組み合わせるのはとても新鮮です。
案外難しいと思うんですこういう組み合わせ。センスが良くないと賑やかな傘になってしまいがちでお子さんの雨傘っぽくなってしまうんです。その点素材の良さと色の美しさでとても上品な仕上がりになりました。

そして、何と言ってもデザインの中心は『書』の部分です。
すご〜く考えちゃいました。お任せいただいたのでいわゆる緊張とはちょっと違う緊張感。
黒い生地の中央に筆文字とドリッピングの入った素敵な作品をお預かりしました。でも三角のコマの中にどうにも収まらない。そうなんです、そこで、どうトリミングするかがとっても重要なんです。上の方にいい感じのしぶきがありまして、そこを使いたい。でも文字も読めるところまでキープしたい。

最初文字の下の方に空間をとって底辺を裁断していたんです。でもそうすると草冠が切れてしまって草冠に見えないかもしれない。文字のどこをどこまで隠して文字として認識できるのか。とってもビビリなもので、あと1センチ上にしよう、もう1センチ上でも大丈夫。と下の方少しづつ裁断して行ってこの構図になりました。少しはみ出すぐらいがダイナミックで素敵だと思うんです。

こういうトリミングをする時にいつも思い出すのが意外にも日本の絵巻。『信貴山縁起絵巻』という絵巻物がありまして、細長い絵巻の中で右から左へとお話が進むんですが、絵がその幅に収まらず上へ下へとはみ出しながら展開して行くんです。でもそれがとっても躍動的で、絵巻物なのにアニメーションのような大きな場面を想像できる。気になる方は検索して見てくださいね。この文字にもそんな風に傘の中に収まらず自然の中へ飛び出して行って欲しいなと思いながら作りました。

お客様もとても喜んでくださってもう一筆加えたくなったとのことです。仕上げはどんな日傘になったんでしょうね。想像するのもまた楽しみです。

着物から新たなデザインへ

今日の日傘はシルクのお着物からオーダーいただきました。そしてとってもとっても喜んでいただけた日傘なんです。

大切にお召しになっていたお着物を形見分けにとのご注文でした。事前の打ち合わせで「通常お着物からは2本作ることができますよ。」とお話ししていたのですが、「帯で見えなくなる部分で繋ぎがあり生地が足りないかもしれない。」とご相談。大切な形見のお品、別の生地を足して2本に仕立てることになりました。

グレーの無地の縮緬と合わせます。せっかく2本作るので、選ぶときにちょっとでも迷って楽しんでもらいたいなと少し繋ぎ方を変えています。どちらもとっても素敵なので、「どっちがいいかなぁと、自分だったら絶対迷う。」なんて考えながら仕立てました。素材の違いは生地同士の相性が心配でしたが無事、素敵なアクセントになりました。お客様にはもちろん喜んでもらえたのですが、リメイクでびっくりされたのは実は生地使い。送られてきた生地を見た途端から、疑いもなくこういう風につなぐものと疑いを持っていなかったんですが、柄のあるグレーの生地、なんと裏なんだそうです。∑(゚Д゚)

写真の通り日傘の裏は白地と可愛い黄色の花柄になりました。もちろん作る前に裏表の確認はしていますが、なかなかお話が伝わらず、写真を見ながらのご説明で、やっと私が裏表を逆に繋ごうとしていることに気づかれたそうです。そのぐらい思いもよらなかったそうで、出来上がりを見て大変喜んでくださいました。着物のことを良く知らないからこそが、吉と出ることがあるんですね。思い出のお着物は、日傘の内側できっと優しく包み込むように見守ってくれていることと思います。

唐草文様の日傘

今日の日傘は唐草模様の生地から。唐草模様と聞いてパッと思いつくのはグリーンの地に白の唐草模様の風呂敷。こんな風に渋い色合いの唐草模様は新鮮ですね。緑の唐草文様はあまりにも伝統的な柄なのでパターン認識していて、この生地を見て改めて唐草は草花柄だったと思い起こしました。

ところで日傘を選ぶとき柄の大きさは気にしていますか?鏡で写してみるとお顔映りの印象など随分違うことに気づかれると思います。柄の大きさでも印象が随分違うことがありますよね。小さな柄では、近くでは柄もはっきり見えますが、離れたところでは柄を認識することができずに、色が混ざり合って見えます。例えばこの日傘の柄が細く小さな唐草だったら、遠目には白が混ざりこんで無地のように見えるかもしれません。一方こうした大きめのくっきりしたデザインは遠目からも柄がよく目立ちます。どちらがお好みか、ぜひ柄選びの参考にして見てくださいね。

さて、この唐草紋様は、日本では伝統的な吉祥文様なので最も日本的なものと思いがちですが、実は日本へは、古代ギリシャからエジプト、ヨーロッパ、アジアとシルクロードを渡って伝えられたそうなんです。だから世界中に進化した唐草文様があるんですね。みなさんご存知のウィリモリスの壁紙も唐草模様です。日本の唐草はそれに比べて葉っぱがどんどん小さくなって随分簡略化されていますよね。線だけの柄もありますものね。シンプルへシンプルへと進化して来たようです。そしてもっとシンプルなのはラーメンの器に描かれている中華柄。これも唐草の変化系ですよね。調べてみると唐草模様、国によって色々変化を遂げていて面白そうです。

*写真が下手で白く写っていますが実際には小豆色の唐草柄です。モダンです💕

心ときめく浴衣の日傘

7月の終わりごろオーダーのご注文をいただきました。形見のお品物で日傘を3点、お父様とお祖母様の思い出のお着物が新しい形になって、次の世代のご家族へ引き継がれて行きます。そういうご事情ならと、お盆までにお届けしようと頑張りました。あまり信心深くはないですが、そういうことふと思ったりするんですよね。「お盆に帰るからそれまでに日傘にしとけよ〜。」って言われているような。それにしてもこの3本の組み合わせがなんとも言えず素敵です。お店にディスプレイするならこんな組み合わせで大柄、中柄、細かい柄で飾りたくなりますよね。それだけ華があるということなので、もちろんお三方で一緒にお出かけされたら素敵ですよ〜。想像するだけで振り向いちゃう。なかなかみなさんがお会いできることも少ないのかもしれませんが、この3本の日傘に離れていても寄り添っているような素敵なご縁を感じます。

さて、最近メールがうまくお送りできないことが多くて、お写真お送りすると届けられませんメールが戻ってきてしまうことがあるんです。何十通も送ってしまったので、もしかしたら私が迷惑メールになってしまってるかもしれないのですが。普段iPadを使っているのが原因なのか、アドレスが違っているのか…。

爽やかな藍染めの日傘

久しぶりにまた暑い夏が戻って来ました。しばらく猛暑日が続くそうですね。ここのところ日傘の出番も少なかったので、お出かけの際、持って出かけるのを忘れないでくださいね。

今日ご紹介するのは爽やかな藍染めの日傘。染めている色は一色のはずなのに、こんなに色鮮やか。濃淡で変化がついて、とても綺麗ですね。

こちらの日傘はお着物を解いて洗い張りしたものを送っていただきました。よく見ると柄が横に繋がっていなくて途中で段がずれているデザインなんです。わかります?小さな変化ですが柄合わせをして繋ぐと動きが出てとても面白いですね。涼しげで爽やかな素敵な日傘になりました。

涼しげなメダカの日傘

今日の日傘は涼しげな反物から。ご注文をお受けした時「日傘にするには透けてしまうし、ちょっと薄いんじゃないかしら。」とお話させていただいたんですが、この反物がとてもお気に入りとのことで、こうして日傘になりました。出来上がってみると、なるほどなるほど。このめだかのかわいさと言ったらたまりません。

小さなエサを指でちょんとつまんでと水に落としたら、あとはじっとキラキラ光る水面を眺めていたい。ゆっくりした時の流れにとっても癒されるメダカ柄。冷たい水も気持ちよさそうですね、まるで小さな池がそのまま日傘になってしまったような光景です。

そして心配していた生地の厚さは思っていたほど光を通しすぎることもありませんでした。まだまだ生地を判断するのに『美しい』と『難しい』が紙一重ですが、それだけに出来上がりには緊張感があって凛とした日傘に仕上がります。夏のコーディネートにひとつ加わると、これはきっとお会いした人の印象にも残りますね。着物のお供にとても素敵な日傘となりました。

染色家 内藤早苗さんの日傘

今日は久しぶりの青空。途端に日傘が恋しくなります。今日の日傘は染色家、内藤早苗さんの日傘です。今回もカッコいいですね。洋にも和にも似合いそうですね。今回もギリギリのご紹介になってしまいましたが火曜日まで、銀座の三越でお披露目されています。

3人展「涼を呼ぶ夏の暮らし」
注染 内藤早苗
籠 福田奈々子
ガラス 山下達己
8月2日(水)-8月8日㈫ 10:30-20:00
会場 銀座三越7階ジャパンエディション

アフリカンプリントの元気な日傘

関東は今日ついに梅雨明けしましたね。梅雨らしい梅雨もなく夕立のような雨と、昨日の嵐で開けてしまいましたね。ここからは毎日かんかん照りの日々が始まるんでしょうかね。

今日の日傘はアフリカンプリントの元気な日傘です。以前blogでご紹介したアフリカンプリントの日傘のように、「生地のミミにプリントしてある文字を1箇所、縁にアクセントとして使ってください。」とのご希望。お使いになる方は目の付け所が違いますね。ミミのプリントがこんなに人気があるなんて。作り手側からは出てこないアイデアですよ、ほんとに。

さて、この大きな柄。縁に1箇所文字を入れるために裁断すると、柄がぐるりと繋がらなくなってしまうんですね。底辺の高さが変わります。丸の中心の茶色の高さは揃えたいですものね。そこで、考えた結果、留め紐に使うことにしました。目立たないけど、傘を閉じて巻いた時にはしっかり主張します。写真があまり上手じゃないので分かりにくいですが、ボタンはパッチワークのようになった貝細工ボタン。キラキラして可愛いです。太陽が眩しい季節に明るい色の元気な日傘があったら、暑い日もお出かけが楽しくなりそうですね。

 

バティックの日傘

今日ご紹介の日傘はインドネシアのバティックから。いつもとちょっと雰囲気が違うのは折りたたみの日傘だからです。頭の部分が石突きになっていてサイズもほんの少しだけ長日傘より大きめです。

この日傘、私物なんですが普段使いには長い日傘が差し易いので、あまり出番がないんですが、夕方までのお出かけにはやっぱり折りたたみも便利です。三連休最終日の昨日は江戸東京博物館から浅草までぶらぶらと散歩に出かけて来ました。

柄物なので私にしては派手かなぁと思っていましたが、客観的にこうして見ると思ったほど派手には見えないものですね。バティックは「ろうけつ染めの布」のことを言うそうですが、この染め方も裏まで色が染まっているので日傘にしても綺麗です。差していても柄に程よい抜け感があるので木漏れ日のように涼しく感じられて気持ちがいいんですよ。バティックは日本でもジャワ更紗という名で昔から使われていたらしくて、博物館にも可愛らしい更紗のタバコ入れが展示されていました。江戸の人たちも好んで使っていたんですね。

カンガで日傘

今日は明るくて、夏にぴったりの日傘のご紹介です。カンガという生地だそうですよ。明るくて楽しくて素敵な日傘になりそうです。blogを読みながら一緒に作っているつもりで楽しんでいただきたいので、出来上がりの写真は最後のお楽しみにしましょう。

約2メートルの大きな生地からスタートです。お手紙には出来ればボーダー部分をぐるりと一周使ってくださいとのこと。パラソラの作り方ページをご覧になっている方はもうお分かりかと思いますが、三角の生地を互い違いにせずに、三角を横に並べて裁断していくので贅沢に生地を使います。

ところが、何かおかしい。そうなんです、この写真のよれっとした感じ。雑に置いたわけじゃないんですよ。生地が歪みます。比較的日本製の生地はピシッと縦横生地の目が揃っていますが、外国の生地はそこがゆる〜い感じです。でもこれはこれでいいんです。身体に巻いて使うものだから。ただ日傘にしようと思うと、地直しはしないといけません。出来上がりに歪みが出ちゃうので。それにしてもすご〜〜〜く曲がってます。あっちを直すとこっちがヨレ〜。こっちを直すとあっちがヨレ〜。写真ではわかりにくいんですが、円の柄が楕円になるぐらい、写真でも右端のライン曲がってますでしょ。柄に騙されないように生地の糸目との戦いです。1時間近く格闘しました。私の日傘製作史上稀に見る難しさ。地直しのコツってあるんですかね。

さて気を取り直して裁断です。横に並べて裁断というのはこういう裁断の仕方です。実はもっとオレンジの柄を入れたかったんです。地直しも頑張ったことだし。ボーダーが幅広すぎる気もするし。水色の半分ぐらいまで底辺をカットしても連続柄が面白いので三角を全体的に上にあげようかなとも。しかし、左右の縦の柄が入らないようにすると入れられる位置がギリギリ。大きな生地なのにまさかのギリギリ。最初の予想に反してボーダーの幅が半分近くまで広くなりました。

そして出来上がったのがこちらの日傘。じゃーん。

可愛イィ!素敵っ💕自画自賛!予想に反して、ボーダーが活きています。カットしなくてよかった。とっても可愛いです。いつも思うけど私の目は節穴ですかね。お客様のお見立てにいつもあっぱれです。

こんな感じで出来て見ないとわからない日傘作り、楽しんでいただけましたか?そしてパラソラは今日も悩みながら楽しんで作っています。

正絹の着物から日傘

毎日来る日も来る日も日傘を作っているので、そろそろ夏も終わりかしら?という気にもなりますが、まだまだ本格的な夏はこれからですね。今はパラソラのオリジナル日傘はお預けで、オーダーメイド優先でお作りしています。お待たせ中の皆様、もう少しだけお待ちくださいね。
もしも、パラソラの日傘をいつできるの?ってお待ちの方いらっしゃいましたらお声掛けくださいね。ご依頼があれば急いで作ります。ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

パラソラでは「浴衣からもお作りします。」とご紹介しているためでしょうか、「絹でもできますか?」とよくお問い合わせをいただくのですが、もちろん絹でも作れます。よほど薄い、厚い、硬いでなければ作れるんですが、服と違って骨に巻く扱いやすさを考慮すると向き不向きはあります。今日ご紹介するのは正絹の日傘です。珍しく続けてご注文いただいたので2点一緒にご紹介します。

1本目の日傘は紳士用の反物からご注文いただきました。く〜ッカッコいい。私はこういうタイプかなり好みです。オーダーメイドでは個性的なご注文が多いのですが、意外にもこういうシンプルな日傘、使い勝手が良いと思うのです。服を選ばないというか。あくまでも私の場合ですけどね。遠目には一色に見えるので、スーツのようなきちんとした服でも、お着物でも、涼しげなワンピースでも良いんじゃないかとおもいます。反物の幅が広めなので約3.2mでできました。

2本目のこちらの日傘も使いやすそうなモノトーン。よく見ると互い違いに白黒白黒と柄が並んでいます。なので柄合わせしています。この規則性に気がつけばなるべく合わせるのですが、染める時の版のサイズが違ったり、折のピッチが違ったりで、繰り返しがお着物によってまちまちなんですね。もしかすると着丈に関係してくるので決まりはあるのかもしれませんが、規則性見つからない時はそれなりに。この日傘の場合のように柄が大きいのと、柄合わせで生地が足りなくなることもあるので、合わせられないこともありますが、今回は上手くいきました。

どちらの日傘もつるっ、さらっ、シャキッとしていて触り心地とってもいいです。畳んだ姿も綺麗で、防水加工が可能なら雨傘にもいいかもしれません。因みに防水加工は数がまとまらないとできないので、パラソラではお作りすることができないのが残念ですが、このタイプの絹はとても美しく仕上がります。

朝顔の日傘

前回のblogでもご紹介しましたが、型を作って日傘を作るのはなかなか根気のいる仕事です。行程の中でも特に経験が必要な部分かもしれませんね。パラソラの通常の日傘づくりでは裁断から始まって、微調整でサイズを合わせるということをしています。最初の頃はこれが何度も直すことが多かったので1日に一本しか張れなかったなんてことも多々ありました。今は最初の縫製である程度調整しながら縫ってしまうので格段に作る時間は短縮しています。仕上がりも大抵のものは察しがつくようになりました。

そんな技術的なこととは別に、出来上がってみたら想像を超えている。という嬉しい驚きがあることもあるんです。それが今日ご紹介の日傘。

朝顔柄の日傘です。生地を受け取った時はすっと朝顔が一本伸びているシンプルなデザインだったので、出来上がりもきっとスッとした日傘になるのかなと思っていたんです。裁断では数少ない朝顔の花を活かせない部分があって残念で、出来上がり寂しくなっちゃうんじゃないかしら。と思いながらも、これしか裁断のしようはないし、お花があまり入れられなくてお客様、がっかりされるかなと少し心配だったんです。

ところが骨に張って広げて見たら「何ということでしょう〜。💕💕💕」もうびっくりですよ。すごく可愛い。そして、写真ではお伝えできないのが残念ですが、さしてみると想像をはるかに超える可愛らしさに包まれました。「え〜ほんとぉ?」って思わず言ってしまったぐらいびっくりです。何でしょう、日本人の血がそう思わせるのか、乙女心に火がついたのか、何せ可愛いんです。

もしこれを想像して生地を送ってくださっていたとしたら、そうとう「お目が高い!✨」。あっ、このフレーズ、ワサビ・エリシさんでの展示中、誰かが素敵ポイントを指摘するたびに使って盛り上がっていた褒め言葉なんです。みんなが何となくみているところに素敵ポイントをポンと発見してしまうと、「ほんと、それ素敵だわ。」となって「お目が高い。✨」ぴったりな言葉ですよね。ちょっぴりお笑いのネタのように口を揃えて連発していましたけどね。女子ってそんなもんですよね。(笑)

こんな風に生地で見るのと立体にするの、そして中に入って包み込まれる感じ。その時々で生地のイメージが変わるところは面白いですよね。そんな体験をしてしまうと、また作ってみたくなってしまうのも日傘作りの魅力です。こちらのお客様もリピーターさんです。そういえば前回も「その手がありましたか」っていう素敵な日傘をオーダーしてくださっていました。

版画家 藤村洋介さんの日傘


今日ご紹介するのは版画家 藤村洋介さんの日傘です。夏の間、中村風鈴店として懐かしい手売りの風鈴で涼を運んでいる藤村さん。6/20から東京での個展のためにと日傘をご注文いただきました。

この可愛らしい柄は元々は風鈴の短冊用に作った版画がもとになっているそうです。床屋ストライプですって。ネーミングも遊びゴコロがありますね。今回は柄向きを考慮して生地を横使いしています。横地使いは時々伸びてくることがあるんですが、こちらの生地は以前にも作ったことがあるそうなので、その点安心して張っていますが、念のためいつもより心持ちきつめに張りました。

中村風鈴店さん夏はこんなスタイルで風鈴を売り歩いてるんだそうですよ。

懐かしいですね〜。昔はこうした風鈴屋さんや金魚屋さん、竿竹屋さんにほおずき屋さんまでいろんなお店が売りに来ていました。パラソラのロゴも実はこうして街で見かけるアイス屋さんをイメージして作ってるんですよ。アイスクリンの冷たくて涼しいイメージです。最近は猛暑続きですけど、こうした団扇や風鈴で涼を感じる夏もいいものです。夕立の後涼しくなったり、銭湯へ行って浴衣を着せてもらってお祭り行ったり。楽しい思い出が蘇ります。

個展のお知らせをいただきましたので貼っておきますね。クリックで大きくなります。一番下には中村風鈴店さんに出会える手売りの予定表もご紹介しておきます。

一柳綾乃さんの日傘

この美しい日傘は………そうです一柳綾乃さんのデザイン。
水彩画作品を日傘にアレンジしています。美術館にあるモネやゴッホの日傘のような感じです。素敵ですね〜。涼しげで、この透明感のある空気にうっとりです。

さて昨日に引き続きどんなふうに日傘として仕上げているか、今日もちょっとご紹介しますね。
まず生地を日傘のサイズに裁断します。この幅にする前もですが、この段階でもどこを使うか考えます。面白いところ、見ていて飽きないところ、つい目がいってしまうところ、最もドラマチックなところを絞って、目測でどの向きで裁断するかを決めます。私が使いたいのは右端のブルーとピンクの混ざり合っているところと中央のお花、左下の黄色から赤、ブルーへの変化。そしてお花は首では切らない。これらを考えて型を置いて直接裁断して行きます。生地が足りなくなると困るので無駄なく裁断するため、かなり制約はあるんですが、左右どちらから始めるか、上下どちら向きで始めるかで使える部分が大きく変わってきます。責任重大。まさに作家とコラボしているような感覚です。

じゃーん。裁断できました。右下のブルーの部分は使えませんでしたが他は入りました。右から二番目のお花がないところも意外に大事なんです。だからここを少し左気味に裁断しているのはこだわり。一柳さんの作品で大切な空気を感じるところだからです。他のコマと関係なく存在してしまわないようにと考えての選択です。こんなことの積み重ねで1本の日傘が出来上がります。

先日ご紹介した作品展は大好評だったそうです。素敵な日傘を沢山オーダーいただきました。そして福井を皮切りに京都、静岡と巡回展を行うことが決定したそうです。楽しみですね。どうぞお近くの方はお出かけしてみて下さいね。案内状を貼っておきます。

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EMI SUZUKI さんの日傘

今日ご紹介するのはテキスタイルデザイナーの EMI SUZUKI さんの日傘です。
楽しいですね〜。本来は風呂敷なんですよ。触り心地がさらっとしていて日傘にぴったりなのは驚きです。オーダーのお問い合わせの時点で「どんな仕上がりになるかデザインを知る方法はありますか?」とご質問頂いたんですが、「正直、作ってみないとわかりません。」とつれないお返事しかできなくてごめんなさいね。言い訳と言ってはなんですが、なぜってこんな風に作るからなんです。

この2本の日傘は色違いの同じデザインの生地から作っています。風呂敷を半裁して1枚目は同じ裁断。そして2枚目は天地を変えて作ってみました。そうなるとつなぐ時もバランスが変わるので並びを変えていきます。だから、出来上がりも微妙に違います。どうですか、違いがわかりますか?

そんなわけで出来上がりを想像するのはとても難しいんです。そして裁断が5ミリ左右にズレても繋いだ時の印象が変わります。特にこういうデザインだと、もうどこがどこへ行ってしまったのやらで、出来上がりから逆算して同じものをと言われても私の頭ではとても難しいのです。それでも出来上がりはどちらも素敵でしょ。あまりコントロールしすぎず楽しんでもらうのが一番かと思います。

このポップで楽しい日傘は6/9から6/13、下記のギャラリーでお買い求めいただけます。ご興味ある方は是非お出かけしてみてくださいね。EMI SUZUKI さんは普段はフィンランドで活動されているんだそうです。だからこその綺麗な色使い。きっとほかにも沢山の素敵なデザインに出会えることと思います。案内状を貼っておきますね。

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粋な日傘

ここ数年5月はもう夏ですね。季節が2、3ヶ月ずれてしまったのかと思うほどの良いお天気。日傘屋にとっては嬉しい暑さですが、急いで作らねばと毎日どことなく焦っています。

こうしたお天気が続いていると、今日ご紹介するシャキッとした日傘、いいですよね。白と紺が粋。そして見た目がスッキリしているから気持ちも余計なことに煩わされなくて気持ちいい感じがします。今回は反物でお預かりしたので贅沢に柄合わせも意識して作りました。広げて見ると綺麗なラインが現れて、和柄なのにどこか洋風感も感じられます。そしてたたんだ時がまた綺麗。ストライプだけが見えて広げた時と違った印象です。差して良し、たたんで良しの2倍楽しめる日傘になりました。お揃いで袋もお作りしました。1つはプレゼントなんですって。喜んでもらえるといいですね。お揃いだけど少し仕様が違う出来上がりになるように袋の留めボタンも色を変えています。早速のこの暑さ大活躍しているのではないでしょうか。

内藤早苗さんの日傘

今日の日傘はテキスタイルデザイナーとご紹介していいんでしょうか、内藤早苗さんの日傘です。
カッコいいですね〜。こういう日傘、なかなか手に入れるのは難しいですよ。可愛い日傘というのは案外ありますが、かっこいいそして洗練されたデザインはなかなか見かけません。どんな人がさすんでしょうか。ファッションやアートに敏感な大人の女性をイメージします。そして男性でもカッコいいんじゃないですか。中性的な魅力がありますよね。染めなので実物の力強さは見れば見るほど吸い込まれそうに深く、この赤と黒の色の混ざり具合にときめかずにはいられません。私ももう少し自分がカッコ良い人だったらこの日傘差したいです。あ、もう少しより大分カッコ良かったらですかね。手元は椿、高級感のある黒のタッセルをつけました。

もっと早くご紹介したかったんですが遅くなりました。ただいま展示会されています。27日まで。ご興味のある方は是非どうぞ。クリックで大きくなります。

 

母の日の日傘

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今日は母の日ですね。パラソラの日傘もプレゼント包装のご依頼承っています。お着物からお揃いで二本作って一本はプレゼントに。こんなご依頼も最近増えていて、お母様から娘さんへ。娘さんからお母様へ。男性からは出来上がりの日傘をプレゼンに選んでいただくこともあって嬉しくなります。作っている私は母ではないので、日頃、誰にもなんのお世話もしていないのに母の日にはいいなぁと羨ましく眺めております。
母の日といえば、先日コンビニでこんなことがありました。外国人のとても気さくな店員さんが宅急便の発送票を見て
店員「なんて書いてあるの?」傘の字略字で書いてしまったのでわからなかったのかもしれません。
店員「あぁ、ひがさ?いいね。プレゼント?」
私「私が作ったものなの」
店員さん「手作り?すごいね〜。プレゼント?おかぁさんよろこぶよ。」って。
違うけど…どんどん話が好意的に進むので、つい言いそびれました。(^-^;
でもとっても優しいおしゃべりでほっこり気持ちよく荷物発送してきました。コンビニで話したくない人もいるかもしれませんが、昔はお店でのこんなちょっとしたやりとりは普通のことだったのに、少し新鮮に感じてしまいました。でも言われてみると、たとえ自分で作ってなくても手作りのプレゼントは喜んでもらえるかもしれないですね。モノによっては気持ちが入りすぎて「着てはもらえぬセーターを♬」なんて歌にもなりましたけど、さすがにそこまで思いを込めては作りませんから大丈夫、日傘はもっとサラリと軽やかに差してもらえると思います。おリボンほどく時のワクワク感は幾つになっても変わらないものです。お誕生日のプレゼントや帰省のお土産にも、ぜひラッピングお声掛けください。

寄り添う日傘

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パラソラのオーダーメイドは、お好きな生地を選んでお好きな手元を付けて自分だけの日傘が作れるところが一つの面白さだと思っています。だから色々な組み合わせの日傘が出来上がって作り手としても楽しいところ。生地選びにもセンスが反映されますものね。服を選ぶように日傘も選べるなんて、デザインを考えていると力入っちゃうんじゃないでしょうか。

さて今日ご紹介の日傘は浴衣から。届いた包みを解いた時から綺麗に解いてたたまれて、大切にされているなという印象を受けました。添えられたお手紙からもお気持ちが伝わります。自分デザインの日傘の一方で、こうした思いに寄り添うデザインもとても素敵な選択だなと思います。

薄いブルーグレーの地色に深い紺色がとても綺麗です。ところどころグリーンや黄色の差し色がされているところもこの柄を柔らかく見せてくれていて、こういう色使いって見れば見るほど華やいでくるというか徐々に色が見えてくるところがいいですね。水の流れや藤の花もそよそよ音が聞こえて来そうです。どこか名画鑑賞にも似てますね。ってちょっと大袈裟ですけど。そんな風に私は柄をみてしまいます。

そしてこの日傘の素敵なところは何と言っても触り心地。解いた着物だからでしょうか。肌に優しくて、たたむ時手のひらがとても気持ちがいいんです。案外気がつかないことですが気持ちがいいと神経がそこに集中して、「あらっ。気持ちいい。」ってなるんです。もちろん手元でも気持ち良さも感じますよ。ひやっとしたり天然木の心地の良さだったり。暑い時期のお出かけは日傘やバッグ、触り心地に気をつけて選ぶと何気ないときに冷やっとサラッと伝わって、もっと快適になるかもしれません。どうぞ参考になさってくださいね。

型染めの日傘

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GWも、オーダーメイドの日傘、作っておりますよ。着々と進んでいます!
今日ご紹介するのは作家さんからのご依頼。お着物のための柄を日傘用に染められたそうです。流石に繊細なデザイン。

毎年少しづつ染め体験していたので最近は柄を見てどんな工程で染められているのかがなんとなくわかるようになってきました。なので、この型すごいです!っていうこともよくわかります。どれだけの手仕事の積み重ねでここにこうして日傘になっているのか。おまけに私の散歩コースの風景なんです。もちろんお会いしたことはないのでワタシのための風景ではないんですけどね、こういう世界観は誰にでも心の中に持っているんじゃないかしら。この藍と白の世界からどれだけ想像力を膨らませることができるかで、きっと味わいも変わってくるんでしょうね。

そしてもう一本お作りしました。こちらは折りたたみ。
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美しいですね〜。同じ生地から作られていますが、印象が変わりますね。日傘としては少々厚めの生地だったので色々ご相談しながら進めましたが、ほぼ最初のご依頼通りに仕上がりました。通常折りたたみは骨を折って畳むので生地も小さくたたまれて重なるため思った以上に薄い生地で作られているんです。ななかなかそこを作る前に読むのが難しいのですが、結果オーライ。素敵な折りたたみの日傘になりました。

引き続きワサビエリシのパラソラ展は15日まで
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