日傘を、繕い裁つ人

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昨日は、緊張するお仕事をしていました。
お預かりしたお着物の裁断作業です。もちろんいつも裁断は緊張するのですが、特に今回は小紋で滑りやすいと言うところがドキドキポイント。他の仕事を全て仕上げて集中です。

ところでみなさん、映画「繕い裁つ人」もうご覧になりましたか?
あの映画にもあった裁断シーン、あの凛とした感じが裁断する時に何度も頭の中をよぎりました。シュツシュツと文鎮置いてザクッザクッ。いつもならすごく緊張するところ、気持ちのいい音に乗って裁断開始。おかげで心なしかいつもよりスムーズに気持ち良く裁断できた気がします。職人の仕事は盗むものとよく言われますけど、映画からでも盗めるところいろいろあるんですね。いや、映画だからこそ強調されて見えてくるものがあるのかもしれません。体の使い方だけでなく呼吸、結構大事です。

他にも糸を解くシーンも印象に残っています。傘の場合は理想の張りが出るまで何度も張り直しを繰り返すので、どうしても解く作業が欠かせません。うまくいかないと生地に負担をかけるので焦りが出てくるんですが、それもあのシーンをイメージして冷静に冷静に。今日の小紋は縫いもバッチリ。これから骨に合わせて調整して行きます。一度で決まるといいんですけどね。こればかりは張ってみないとわかりません。
なんだかんだと、映画に影響されて腕が上がれば言うことなしです。

繕い裁つ人公式サイトへリンク
明後日水曜日は舞台挨拶もあるそうですよ。