日傘製作中」カテゴリーアーカイブ

染めてます

こんにちは。今年は暖かくてもう直ぐに春になってしまいそうですね、急げ急げ!で相変わらず気持ちだけ焦ってます。

さて今年は展示販売会予定しています。3年ぶりかしら?再び、世田谷のワサビ・エリシさんです。以前のようにショップでの販売ではなくて、ギャラリーをお借りするので開催期間は1週間。ちょっと短いですけど、また詳細決まりましたらお知らせしますね。期間が短いので、できればもう一箇所ぐらい出かけたいところですが、それまでに何本作れるのかの出来上がり次第になりそうです。

今年は染物の日傘を作っています。藍染の工房にお願いしたり、自分で染めたり。通っている染物教室では手挿し染めを教えてもらっていますが、これはもう日傘にするのはあきらめました😅(早っ)

…というのは超高級日傘になってしまうから。いやいや誤解しないでください💦腕があるからじゃないですよ。工程が多くてどうしても想定以上の価格になってしまいます。ましてや教えてもらいながらなので見合うものは到底作れそうにないので諦めました。そうですよね〜、傘仕事も最初の頃は手が遅くて作業代が全然価格に見合ってなかったですもの。それなりの修行期間も必要です。専門家にお任せしましょう。

そうは言っても自分でも染めたい。そこで、手挿し染めのような「こう作ろう」じゃなくて「こんなのできた」で、お求め易い価格でパラソラにしかない日傘を作ってみようと思います。

例えばこんな染め方。傘だから、三角に裁断してから染めたらどうかしらと思って畳んで色を付けました。金魚すくいみたいな小さな染物。仕事だけど遊びの要素もあって『畳んで染めて広げてビックリ』。(笑)これを飽きるまでたくさんやってみようと思います。

簡単なようで工夫のしようが沢山あるところも面白いんですよ。こうして染めたらもっと早く出来るとか、簡単にできるとかあるんでしょうが、blogに書いておくと染め屋さんやお客様にも教えてもらえたり、話が弾んだりするので😉気負うこともなく正直に。傘は作れるけど、他のことはとりあえずやってみる。そうするとだんだんいい方法に落ち着いてくるものです、簡単なことからコツコツと。

広げて見ると、可愛いピンクに染まっていました。これは春に出かけた芝桜色💕

このあと日傘に仕上げていきます。まぁるく繋がると印象変わるので出来上がりも後で更新しようと思います。どんな日傘になるか想像してみてくださいね。それではまた。

折りたたみ傘の点検を。

今日は折りたたみの日傘のメンテナンスのお話。
昨日夕方の買い物の帰り道、ショーウィンドウに映った姿をみると何か違和感が。よくみると日傘がこんなことになってました。日傘屋なのにお恥ずかしい。慌てて帰ってきました。

露崎の止めてあるところが外れて骨がむき出しです。このまま差していると隣の骨にも生地にも負担がかかって影響してきます。こうなると「もうダメだ!」なんて捨てしまったりしていませんか?

それは勿体ない。まだまだ使えます。この時点でメンテナンスしておきましょう。簡単です。私のこの日傘も何度か補修しながら、もう買ったことを思い出せないほど昔から使ってるんですよ。シンプルなデザインがお気に入りで全然飽きることなく30年ぐらい使ってるかもしれません。

補修の方法ご紹介しますね。まずは落ち着いて深呼吸。外れた部分をよくみると骨に穴が開いています。アップで撮りすぎてピンボケになってしまったので穴の写真なしですみません。💦

生地に残っている切れた糸を取り除きます。キレイになると分かりやすくなるので落ち着いて作業してください。生地の角の部分を小さくたたみます。あとは写真のように糸を2〜3回穴に通して縫い止めます。生地をたたんで厚くなった部分に針を入れてくださいね。開いた時強く張られるのでちょっと硬いけど頑張って。最後に玉結びして出来上がり。ボタン付けよりよっぽど簡単です。是非直してみてくださいね。

注意点はただ一つ、糸を取り除く時に傘本体を縫ってあるミシン糸はくれぐれも切らないように。傘用のミシン糸は間違えて切ってしまうとするすると上まで全部解けてしまうので注意してくださいね。見極めは手縫いしてある太い糸だけ取り除く事です。

もう一つ、もしあれば糸にロウ引いて、よりをかけて一本にしておくと丈夫になってよく締まり緩まなくなります。ろうそくのロウでも大丈夫。なければ普通の糸でも大丈夫です。

点検すると、もう一つ、解けかかっている箇所がありました。これも一緒に直しておけば、私のように外で恥ずかしいことになることはなくなります。折りたたみに関しては雨傘も一緒です。一年の内でも一番出番の多いこの時期、是非点検してみてくださいね。日焼けしてくたびれてる生地にも気がつくかもしれません。

日傘製作中 パラソラ日傘展

いよいよ今週末はパラソラ日傘展。今回は通りに面したギャラリーなので初めてのお客様にも見てもらえたらいいな思っています。明るい色の綺麗な日傘をご用意してお待ちしています。原宿でのショッピングがてらぜひお出かけください。

今日は手作りの日傘ということで製作風景のご紹介。年代物のミシンを使って生地をつなげる仕事、『中縫い』をしています。縫っているとドドドドとすごい音なんですが、動画にするとカタカタと懐かしいような古い機械音にも聞こえます。とは言えうるさいので音量注意して再生してくださいね。ほんと、かなりうるさいです。工業用ミシンのブーンという音が出ています。二つ折りしながら縫っていくのですが幅を微妙に調節していて、ものによっては1mm、2mmの誤差で傘が開かなくなってしまうこともあるという微妙な作業です。

パラソラの日傘展 準備中

4月になりました。そろそろ5月の作品展の準備も目処が立った頃。となっていればいいのですが、実際にはまだこれからと言う感じ。今年はどんな日傘を作ってるの?なんて聞かれたのでちょっと途中報告をしておきますね。

去年出かけたヒスイ海岸を日傘のデザインに落とし込もうと思考錯誤しています。拾ってきた石をモデルに、とにかくたくさん描くことから始まって、イメージに近い形や色、リズムを探します。これが結構しつこいの。(笑) 時間が許す限りいくらでもこの仕事は続いてやめられない、止まらない。だから展示会という締め切りは必要なんですよね。もう次に進まないと間に合わない。となってやっと決断して前に進むような感じです。

おおよそのイメージが固まったらパソコンに取り込んでそこからまた一仕事ふた仕事加えて1枚の生地が出来上がります。不器用な作り方ですが、こんなことを繰り返して生地ができたら次は張り作業。石がジャラジャラと心地いい音を立ててぶつかり合う波打際を表現できたらなと思っているところです。

まだちょっと先になりますが、展示会情報載せておきますね。

パラソラの日傘展
2018.5.18(金)〜21(月)
アート・イン・ギャラリー
東京都渋谷区神宮前4-25-3

日傘の張り替え

今日は日傘の張り替えのお話です。パラソラで扱っていない初めての骨に張るのがどんな風に難しいか言い訳がてら?作る行程を楽しんでもらえたらと思います。今回はとても大切に使われていたレース付きの日傘を張り替えます。

まずは生地を裁断。と、その前に今回は型がないので骨の数に合わせて型を作ります。型といっても用服と違って三角一枚だけ。しかしこれが結構大変です。洋服で言えば身体にぴったりフィットさせる。そんなイメージなのでユルッとしていてはまずいんです。

厚紙のおおよその型ができたところで一本試し張り。生地が小さくて入らないといけないので試し生地を張ってみます。

微調整が必要ですがサイズはOKのようです。10本骨は初めて作るので、次は木型を作ります。木型ができれば後は直裁断ができるので10枚の三角をサクサク裁断してレースをつけて繋いで骨に再び張ります。

今回ご依頼の生地は麻素材に裾レース。どちらも一回で張るのは難しい素材で、おまけに傘用ミシンに通らないので縫い方に工夫が必要です。今回は兎に角張ってくれればと、ある程度お任せいただいているので、ここは思い切って型通り張ってみましょう。レースは一度湯通しします。

本張り。

ジャーン!そしてガーン!( ̄◇ ̄;)予想はしていましたが予想以上のたわみ。先に張った試し張りの黒い傘と同じ型を使ってもこんなに張り具合が違うんです。レース部分はピンと張れているのに麻はタプタプ。これはかなり修正が必要そうです。とりあえず一部解いて縫い直します。

修正1回目。

だいぶたわみが取れています。でももう少し取りたいところ。ただ麻はやり直すたびに伸びてしまうので解くことが困難です。いつものオーダーではこの辺りで終了しますが今回はレースとのつなぎ目にも問題あるので直した方がいいという判断。

修正2回目、一部解いて縫い直しました。しかし修正ではどうにも決まらないので結局再度全部解いて裁断からやり直しました。

修正3回目。

ジャジャジャーン。どうですか?張りはよくなりましたよね。

ただ残念なことに裏があまり綺麗じゃないんです。傘の仕上げは服と違い繋ぎは切りっぱなしなので何度も縫い直したためほつれが目立って来ました。もうこれ以上の調整は悪化しかねないので限界です。結局このまま最後まで仕上げることにしました。骨と生地を留め付けて、ボタンを付けて完成です。

でもやっぱり…
これでは納得行かないんですよね。お客様、とっても大事にされていた日傘なんです。きっと新しい傘も大事に使ってくれると思うんですね。そう思うとこのままお渡しするわけには行かなくて、解きたい気持ちと、やり直して悪くしたくない気持ちが戦って全然眠れない。シーズンオフならいざ知らず、あまり時間をかけると他のお客様の仕事も遅れてしまうし。いやー悩みますよほんと。「でも直しますよねぇ。納得いっていないんだから。」

と言う訳で生地変えます。✨翌日朝一で決めました。そうするとまた調整から始まってしまう可能性もあります。しかもレースの湯通しからやり直しです。でもあと1日だけ。生地を変えれば大丈夫と言うカンを信じて、解くコツもつかんできたので、一から作り直します。

修正4回目。露崎付けも試し張りから数えて50個目。

ジャーン!今度はいいんじゃないですか?ちょっと張りがきつめです。でもレースが伸びて露崎が外れてしまわないように。良いと思います。シルエットも綺麗です。素材は綿、さすがにパリッと張れました。

生地を見極めるのも、新しい型で作るのもまだまだ修行ですね。麻もレースも市販品の日傘には良くありますがオーダーでは言葉通りの一本勝負。麻と一口に言っても日傘に向いているものを見極める必要があることが実感できたお仕事でした。発送を終えるとホッとして脱力状態。_| ̄|○   はぁ〜でき上がって良かった〜。

そんなひと仕事終えた感の夜、別のお客様からメールが届きました。お届けしていた日傘に大喜びしてくださっていて、お嬢様の喜ぶ笑顔のお写真まで。先までの緊張していた仕事から一変、ご褒美いただいた気分でした。こんなこともあるから報われるんですよね。ありがとうございます。

ヨシッ、切り替えて遅れた分取り返しますよ〜。ピッチあげるのでお待たせ中の皆さま、もう少しお待ちくださいね!来週一週間はサクサク進む予定です!

職人仕事

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トントントンと微調整。寒竹の露崎は自然素材なため、大きさや太さが不揃いです。そこでこうして手元をつける前に微調整しています。こういう作業をするかしないかが出来上がりの見栄えにも影響してきます。

傘作りに木槌、意外な組み合わせですが結構木槌の出番はあるんですよ。時々しか使わない使い方もあるんですが、そうした技はなかなか教えてもらえるものでもなくて、そんな場面に出くわした時に初めて、思い出したように使い方を教えてもらえるんです。もちろん、自分で工夫して使えるようになればいいんですけどね。そんな工夫の引き出しが多いほどベテランの職人さんと呼べるのかもしれません。

そして、そんなベテランの職人さんだったら出来たかもしれない、私には出来なかったお仕事。傘の形には仕上げました。そこは意地でもなんとか。ただ仕上がりが納得いかなかったので残念無念。

IMG_1415この生地すごいでしょ、二枚の生地の間に糸が挟まっています。モアレが面白い表情を出しています。こんな布が織れてしまうんですね。

正直、生地を見たときから傘に出来ないことはわかっていました。なので普通にご依頼いただいたら絶対ハサミを入れる前にお返ししますのでご安心くださいね。ただ今回は繊維メーカーさんからのご依頼。ダメ元で作ってみてとのお言葉で、チャレンジして見ました。が、思ってもいないところで挫折です。傘は特殊なミシンで縫製するので得意不得意があるんですが、こんなにも縫えないとは。結局奥の手を使って仕上げました。

前に染め屋さんとお話ししたことがあるんですが、素人でも染めることはできますよね。染め液に入れたら出来上がる。でもそれを仕事とするには速さと正確さが求められます。そう、熟練が必要。絞る専門家、型を作る専門家、染める専門家。傘も同様、素人さんでも1日かければ作れますが、なかなかそれでは仕事にはなりせん。特殊なミシンや型を使って結構なスピードで作ります。なので、大概職人さんにイレギュラーな仕事を依頼するとまずは「そんなものは出来ない」と断られるのが落ちなんです。職人さんは気難しいと思われてしまうところ。

でもね、職人気質というのは試して見たいんですよ。作ってみたい。こうしたらできるかも、こんな方法でやってみたら、と断わりながらも頭の片隅で考えています。だけど仕事にならないものを請け負う余裕はありません。なので一言「できない」となるんですが、信頼できる人との仕事なら、隙間のある時間なら、チャンスがあれば本音は試してみたいと思っています。この生地もそんな試してみたかった生地。だから上手くいかなかったにもかかわらず、こういう縫製方法あったかもと時々今でも頭をよぎります。

日傘自慢⁈

やっと出来上がりました。サボテンの日傘。

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糊置きの状態からは反転されるので印象も変わりましたかね。サボテンの方に色が入っていた方が良かったかしら?何となく地色の方に色が入っている方がいいかなと思って作ったんですが、白と色のバランスを半々ぐらいにしたかったので、結果どちらでもよかったかもですね。もう一色青系でも作ろうと思います。

写真で見てわかってもらえると思いますが、デザインはゆるいんですが仕事するところはしっかりしています。まず骨の曲がるところに生地を挟んでいます。これはサビが大切な生地に出ないように。雨傘ではだいたいはさんでありますが、市販の日傘ではこの生地があったりなかったり。それからつまんで指が当たる所、ツツミというお仕事しています。これはお安い傘ではほとんどしていません。逆に高級品を作る職人さんの仕事は素晴らしく整っていて美しいです。

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外側ではてっぺんのところ、飾りを巻いています。ここも雨傘みたいに金具が打ってあるだけのもの多いですよね。パラソラは手縫いでひとつづつ飾り仕上げしています。それとタッセル代りのボンボン。こちらも手縫い。なので実はこう見えて行くところへ行ったら高級品仕様なんですよ。

ただパラソラの場合、工具をあまり使っていないので工業製品としてはイマイチですね。手縫いの服は家着みたいと感じる人もいらっしゃると思いますが、着物なら?そう手縫いが高級品。大量生産で型抜きしたパーツをミシンで縫って均一に仕上げるのを良しとするか、一つづつ手で裁断して縫うのを良しとするかは使う人次第でもあります。パラソラの日傘も手作りな分、同じものを規格通りにピッタリと揃えることは難しいです。逆に言うと1本ものを作るのには適しています。多少型が合わなくても調整して作れてしまう。

この間NHKの100分de名著でやっていた『野生の思考』の回見ましたか?設計図通りに作る建築家の家に対して設計図もなしに改良を重ねて作り上げる家のような事を言うそうなんですが、あり合わせの材料でその時の最適なものを作り出す野生の思考はこれからの時代大事なんだそうです。まさにパラソラ的。と欠点も利点と捉えて手作り続けていますが、本音は1Fに工房があったらバンバン音立てて型抜きしちゃいます。だって手で切る作業は数があるとすごく大変なんですもの。だけど測っていないのにピッタリ出来上がるようになったら早いしほんとカッコいいですよね。

今年の日傘

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こんにちは。パラソラのnokoです。
さて、少し間が開きましたが、今年の日傘、型ができて来たのでいよいよ染めて来ました。と言っても染めたのは少しだけね。少し染めただけでクタクタというヘタレなので続きは職人さんに染めてもらおうかと思います。でもこれ、自分で糊置きしていますよ。結構力仕事。写真は染めたところじゃなくて糊でマスキングしてるところです。白いところに色がついて色が付いているところが白くなります。

そうそう、デザインは初お披露目でしたね。このゆるゆるな感じがパラソラ好み。未来型マンションみたいでしょ?いえいえ、それでもいいんですけどサボテンのつもり。ウチワサボテン。まぁるくて平たいのがどんどん増殖していくようなよく見かけるサボテンです。調べると棘があったりなかったり、つぶつぶしてたりデコボコしてたりスジだったり。色々な種類があるのでホンモノにはこだわらず自由に楽しい感じにしてみました。

最近、サボテンが流行ってるんですね。人気のサボテンは買うのも凄く大変なんですって。何時間待ちで並ぶ人もいるとか。見たことないような膨らみ方をしていたり透明感があるものもあって、確かに見てると欲しくなります。小さな器に小さいのがいくつも並んでいるのもとっても可愛いし、種類が豊富で眺めているだけでも面白いですね。サボテンなら水やりも楽そうだし育てられるかなと思っていたら、風水では尖ったものは家の中で育てない方がいいんだとか。そうなるとベランダに置く訳ですが、外に置いた途端、お世話さぼりそうです。観葉植物でも枯らしてしまう人なので、そういえば最近全然グリーンを置いていないことに気が付きました。いけませんね、余裕のない暮らししてるのかも。そろそろまた何か置きたいなと考えていたからか、ちょっと気になっていたサボテンが日傘のデザインになりました。サボテンだからお日様とも相性良さそうですし、たっぷり水を蓄えてると思うと見ているだけでも暑さを乗り切れそうじゃないですか。

さて次はいよいよ日傘に仕上げて更新の予定です。

無駄な努力と愛情込めて

こんにちは。パラソラのnokoです。夫婦で仕事をしていると二人ともitouなので、今回から名前名乗っておきますね。出世魚のように子供の頃から呼ばれ方が変わってきたので(良いように捉え過ぎ)呼び方でいつの友達かわかるぐらいに同じ名前でもちゃんがついたりつかなかったり、間にッが入ったり入らなかったり。大人になってからはnokoさんって呼ばれることが多いので、自己申告はこれで行きます。どうぞよろしくお願いします。

久しぶりの更新は、前回の続き。もう忘れちゃってますか?
謎のねずみみいたな、クマみたいなデザインですね、下描きをしていたところでした。
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今日の写真は型を彫り終えたところです。チラ見せで、まだ何かわからないでしょう?こけし?残念。ミイラでもありませんよ。いえいえ当てなくていいんです。クイズじゃないですから。

彫り終わった型は染める前に裏打ち作業というのがあるんですが、その時に彫ったパーツがばらけてしまったり、めくれてしまわないように繋いでおかないといけないんです。そこがそれ、テクニックなんですよね。どこにそのつなぎを作っておくか考えるわけです。最初の型は教えてもらいながら先生と一緒に作ったので自分で考えることもなくスイスイと進んだ作業が、1人でやるとなると、意味がよくわかってない混乱と心配性が、大事をとるとる。あっちにもこっちにも大事をとって繋ぐ繋ぐ。途中「あら?これもっと簡単な方法でよかったんじゃない?」なんて気がついた時にはあとちょっとで出来上がり。う〜む、たっぷりの無駄な努力詰め込みました。

傘作りもそうですが、最初の頃に作ったものを後で見ると、どうしてこうなっちゃたの?ってツッコミを入れたくなるような今では思いつかないような遠回りがそこかしこにしてあったりするんですよね。それが後から見ると大笑いできる。でも憎めないというか、考えたんだなぁと思えるというか。ほんの少し前の未熟な自分が愛おしい。この写真も、すでに今の時点で、なんでこうした?って自分にツッコミ入れられるほど笑える状態に成長してるところは救いですね。もちろん職人さんはもう一つ上の目線から、「おいおい、そこか?」ってツッコミどころ見てるかもしれませんけどね。(*´-`)

モノづくりにはこの無駄な努力と遠回り、絶対に必要なんだと思っています。もちろんこの仕事に関してだけ言えばただの遠回り。ベテランさんだったらどれ程時間を短縮できたことか。でもこうした無駄な努力や遠回りしてきた積み重ねの中にこれから出くわす山や壁を乗り越えるヒントがあると思っています。一件関係ない引き出しの中に解決策が隠れているんですよね。丁度今お預かり中のお仕事も、そこら中の引き出しを開けて探しながら作っているところなので、無駄なことなんて本当は1つもないなぁと実感しているところなんです。時には新しいアイデアが閃いたりするのも引き出しあってのことですよね。

ということで、この後は型の仕上げです。そして染めへ。まだまだ日傘まで先が長いですねぇ〜。

只今デザイン中

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今年の夏はどんな日傘をさそうかな〜?なんてそろそろ考えていませんか?え?まだ早い?だったら良かった。

何せパラソラの日傘は今からデザインしますから。メーカーさんならもうとっくにサンプルも出来上がって展示会準備に入っている頃かもしれませんね。「秋の間フラフラと散歩をしてたからそんなことになったんじゃない?」ってつっこむ声が遠くから聞こえて来そうですが、確かにそれもあります。そこは言い訳のしようがありませんけど、散歩中もしっかり仕事目線、忘れていませんでしたからね。デザインのネタになるもの、心惹かれるものはないかと、どこへ行ってもキョロキョロワクワク探してました。おかげで大きな雀蜂の巣をみられたし、初めてツクツク法師の抜け殻も見つけちゃったり。こうした刺激をたくさんインプットしておくと、自然とデザインする時に日傘となって現れてくるわけです。さすがに抜け殻は日傘にしないので安心してくださいね。(笑)

今日考えていたのは、そんな散歩中に心惹かれたいくつかの中から一案、昨年好評だったシーグラスの日傘がほとんどなくなってしまったので練り直して一案。もう1つは最近気になっていた可愛いモノで一案。

写真の下書き、朝から何枚も何枚も描いては切って貼ってまた描いてを繰り返して構図を練っています。パソコンでパパパッとやったら早いんですけど、手で描くの結構大事なんです。心地よい自然な流れというか。ひらめきまでのアイデアはめちゃくちゃ小さくこまこま描いて行くんですけど、いざこれと決めたら今度は大きな紙で原寸大でのびのびと。だいたい途中で座っていられなくなって気がつけばデザインしてるのに何故か立ち仕事。写真の時はまだ座ってますね。ちなみに、耳の様に見えるけどクマじゃないですよ。ネズミも違いますよ〜。さて、何ができるかはどうぞお楽しみに。

断捨離とメンテナンス

爽やかなお天気になりましたね。散歩日和。お洗濯日和。
衣替えのついでにプチ断捨離が少し進んで今日はすっきり気分でいます。でも断捨離って口で言うほど簡単じゃないですよね。随分前から意気込んでますけど、ほんと少しづつしかすすみません。まずは洗面台から初めるといいと聞いて、洗面台、靴箱、食器棚と進んで、やっとタンスの中スッキリです。これから寒くなったら足りないものが出てきそうなぐらい捨てちゃいました。(°_°)もともと沢山は持っていないけど、家仕事なので必要数はきっとものすごく少なくても大丈夫なはずなんです。

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さて今日のお写真は北海道のお客様から送っていただきました。アンティーク風なレースの日傘と素敵な薪ストーブの意外な組み合わせ。でもこう見えて9月のお写真なんですよ。北海道、寒いんですね。今回は骨の取り替え修理のご依頼でした。パラソラの日傘ではないのでダメ元でということで骨を外して送ってくださいました。私としては、「ダメ元で」の一言はとても気持ちが楽になって助かります。直らないかもしれないけど、もしかしたら直るかも。大切な日傘だからこそなんとか直したい。

まず生地が届いて真っ先に思ったこと、「最も難しいタイプがおくられてきてしまった!」。そうなんです。なんと裏地がついていました。おまけにレースです。早速骨に張ってみたところ、パラソラの骨とサイズが合わない。大きい骨に張ってもまだゆるい。そして裏と表のバランスがうまく取れない。元の形がわからない。縫い詰めていいのかもっと上手い張り方があるのか、散々悩んで迷って頭を抱えて、やっとの思いで張りました。経験を積むってこういうことなんですね。何よりやってみないことにはできることって増えませんものね。お客様にも喜んでいただけたので、経験値1ポイント獲得です。出来上がってみると籐の手元にぴったりの素敵な日傘になりました。

今の季節、衣替えと一緒に日傘も是非メンテナンスしてくださいね。露崎が外れていたり、ボタンが取れかかっているものは小さなお針仕事でご自分でも直せます。次の出番には気持ち良く使えるようになりますし、お部屋の中で客観的に眺めると、日焼けで筋が付いていたり傷んでいることにも気がつくかもしれません。不調があって使わないものを置いておくのはただ場所をとっているだけです。処分するか、修理するか、作り直すか。ひと手間かけたらきっとお部屋の中もスッキリしてきます。

軽井沢でお直し

お休みを終えると、早速オーダーのご注文が入っていました。ありがとうございます。お仕事再開しています!

今回の北陸旅では仕事も少し。1つは北陸で、1つは新幹線の通り道、軽井沢へ途中下車です。
5月にパラソラ展でお世話になった世田谷羽根木のワサビ・エリシさんが夏の間、軽井沢に場所を移して日傘を扱ってくれています。昨年ご購入いただいたお客様の修理を兼ねて、お店の見学にと出かけたのですが生憎お店がお休み。急遽素敵なテラスでの修理作業となりました。

涼しくて、虫の音や鳥のさえずりに耳を傾けながらのお仕事。ムササビの鳴き声も聴こえるそうなんですよ。こんなアトリエで毎日仕事できたら最高ですね。写真は割れてしまった先玉を取り替えているところです。お気に入りでご自分で修理して、たくさん使ってくださっている日傘、お直しが上手すぎて最初何処が壊れたのかわからなかったぐらいです。新しいものに付け替えて、他の不具合の点検をしました。「次回はお洗濯すると綺麗になります」と、お客様への伝言をお願いしました。
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ワサビ・エリシ 店長日記 軽井沢 夏の店
「ごんざ」(軽井沢町追分655-1、電話0267-46-0456)
11時から18時(23日火曜日まで)

コツコツ日傘作り

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展示会が無事終了して、日常が戻ってきました。ご来場くださったみなさまありがとうございました。新聞を見て遠くからお越しいただいたり、ギャラリーのポスターを見てお立ち寄りいただくなど、大勢のお客様にお会いできてとても楽しい1週間でした。入り口を入っての第一声、「可愛い〜ぃ」の声はとっても励みにまりました。

写真の日傘、ビニール傘の骨に白い生地を張ってペイントして展示していました。木陰や紫陽花、気持ち良い空間を想像してもらえたらと思っての作品です。と、同時に使い捨ての生活を立ち止まって見直したいと思う気持ちで作っています。なのであえてビニール傘の骨で作って話のきっかけになればと思っていたインスタレーションです。

でも使い捨てに対しては誰もがきっとそう思ってるし、問題提起は良いけれど解決策として自分にはどんなことができるのかなと思いますよね。そんなことを考えていた展示会終了後、モヤっとした中で聞こえてきたのが『アップサイクル』。リサイクルではなくて、ものの価値を高めて再利用するという考え方です。この言葉を聞いて、言いたかったのは、そういうことなんだと思いました。

オーダーメイドを受ける仕事をするのは眠っている着物や生地を新たなカタチに変えて活かしたいという思いから。アップサイクルです。好きな生地で作れるのは自分で選んだものなら大切に使いますよね。そして大切ならまた次に作り直すこともできてアップサイクルしてもらえる。インスタレーションで展示したペイントの傘も使い捨てられるものにあえて手を掛けて、その仕組みを人の手で塗り替えていきたいという思いから。取り組みは身の回りの傘に限られて小さなことだけど、広がればもっと暮らしがよくなるかもしれないし、それが生活をデザインしていくことに繋がるのかなと思います。小さなアップサイクル、他にも探すとあるかもしれませんね。

さてさて先週からお待たせしているオーダーを今一生懸命作っているところです。だいたい予定通り仕上がっていますので、まだお手元に届かないみなさま、もう少しお待ちくださいね。ここへきて急に暑くなってきたので、早くお届けしないとと頑張ってます。展示していた傘も使える日傘仕様に作り直して順番にお届けしています。

 

 

今日も浴衣の日傘

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浦和の展示会まであと10日。昨日何本分かの生地を裁断したので、今日は縫製しています。このデッドストックの浴衣は蛙張に、それともう一本は普通に張る予定です。3本作れるかと思っていたのですが残念ながらこの生地は2本分しかありませんでした。今と違って昔の人は小さかったからでしょうかね。短い反物でした。浴衣の生地はのりが効いているのでパリッとした張りが夏にもってこいです。着なくなった浴衣、解いて洗濯して軽くのりをしてから日傘にしたら気持ちいいですよ。

着ない浴衣なんて持ってないわという方は、骨董市や古着屋さんで古い浴衣を探してはいかがでしょう。着物と違ってお手頃な価格で手に入るし、傘用に三角に裁断すると端の色ヤケも裁ち落とされるので見違えたようになります。何より柄が可愛いものが多いので探すこと自体が面白いんですよ。パソコンのない時代のデザインは大雑把だったりクスッとなったり、草花にしても大輪の花よりも道端に咲いてる小さな花がデザインされているものが多くて和みます。この柄も葉っぱや茎の線に勢いがあって作ったデザイナーさんも職人さんも絶対カッコいいと思います。かすれの良さ、分かってもらえるといいんだけど。

2016.6.23(木)〜6.28(火)
伊藤ノブコの日傘展

ギャラリー楽風
11:00〜18:00(最終日17:00)
さいたま市浦和区岸町4-25-12
045-825-3910

麻の日傘を作る

麻の日傘、触り心地が良くて気持ちいいですよね。昔は麻は高級品のイメージでしたが最近は普段使いの麻も増えてきて、使い込むうちに馴染んでくる感じ、私も大好きです。今日は麻の生地を日傘に張る話し。

Processed with MOLDIV

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パラソラでは「目の粗い生地は日傘に向きませんよ〜。」といつもお伝えしていますが麻もそのひとつ。目が粗い生地だと傘の一コマ、三角の斜めの部分がバイアステープ同様に引っ張られてぐ〜んと伸びてしまいます。その結果、普通に張ると写真左のように波波に。この波打ちを修正したのが右側。もう少し修正したいところですが、目の粗い生地は裁断した端が解くたびにほつれてきます。触るたびに伸びても来るので伸びとの追いかけっこ。なので、一本物のオーダーではここで仕上がりとなります。

実は写真の日傘はネルのように柔らかい生地でした。ネルもくせもの。使っているうちにどんどん伸びてくることも。伸びると骨よりも生地が大きくなるのでぶかぶかになって自然と骨から外れてしまいます。

普通に張るとーーーこれは型どおりに作るということですが、人間の服でも一人一人に身体に合わせて補正が必要なように、傘も骨と生地の相性によってシワの出方がいろいろです。その修正を1つ1つ経験で覚えていくのが職人の仕事です。なのでたくさん作ってたくさん型どおりいかないことを経験してこそ一人前。よく50年たってもまだまだまだなんて職人さん達はおっしゃいますが、それだけ沢山の経験があって難しいことがあるということを知っているんですね。

麻の日傘、作る前にこれは大丈夫ですか?とご質問いただくこともありますが、ハッキリやめたほうがいいものはわかりますが、あとは張ってみないとわからないのが今の私のスキル。難しいと思ったものが思いのほか綺麗に張れたりまだまだこれから経験を重ねる発展途上中です。

パラソラ営業中⁉︎

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パラソラのショップになかなか品物が増えないのは、仕事してないんじゃないの?とお疑いの方もいらっしゃるかもしれませんが、毎日コツコツ働いておりますよ。
まずオーダーのお品を作っています。ギャラリー等へ持っていくお品も作っています。それから頭の中にある日傘の試作も繰り返しています。今までにどれだけボツが出ていることやら。それでも時々日傘にも仕上げてみています。

日傘のオフシーズン

日傘のオフシーズン、今年は生地を染めることに挑戦しています。
本来傘を作るより、色に埋もれて生活したい人なので、久しぶりの色三昧。ステンドグラスのような光を通した色は、日傘でももっと楽しめるんじゃないかと思うんですが、なかなか生地を見つけるのは大変です。そこで自分で作ってみようというわけなんですが、手探りで始めたのでなかなか一筋縄ではいかなくて実験と失敗を繰り返しています。失敗は成功の元とも言いますし、染色家が目標ではないので、出来上がりのイメージに近づけることだけを考えてもう少しチャレンジ続けてみます。

昨年から染めに関しては幾つかの染屋さんに行って体験させてもらったり、機屋さんの見学に行ったりで、徐々にどうやってつくられているのかがわかってきました。雨傘の生地も可能性が出てきたので、やりたいことが一度に両手いっぱいという感じです。

そしてまだまだ何がお見せできるかわかりませんが、今年も展示会を予定しています。5月には世田谷のワサビエリシさんで約1ヶ月。6月は埼玉、浦和で1週間の予定です。また少しづつご紹介していきますね。

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日傘の下準備

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関東地方、今日は雪になりました。こんな寒い日は集中して仕事がはかどるので、夏に向けての今年の日傘を作り始めました。特にテンションを上げるためにも明るくて楽しい生地を中心に裂いて縫っての1日です。傘作りの最初の仕事は生地を足で押さえてザーッと縦に裂いていくのですが、何せ両手と足がふさがっているので写真が撮れなくて残念です。大きな生地が日傘サイズになると印象が変わってくるので「わっ!これ可愛いわ〜。」とか「いいんじゃないの〜」とか、ひとり寒さを忘れて盛り上がっています。さて一服したらこれからフチをかがって行きます。

昔ながらのボタン

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今年最初の日傘は藍染でのご依頼。ホックよりもボタンが似合うかなと思ってクラシックなボタンをつけることにしました。無意識に留めているボタンですが、手縫いで付けるこのタイプは今ではすっかり見なくなりました。お手持ちの傘に、もしこのボタンが付いていたら今では珍しいのでどうぞ大事に使ってあげてくださいね。

傘の張り具合

さっき張ったばかりの小さな日傘、長い手元をつけたら可愛いかなと、来年に向けてのサンプルを張ってみました。image上の写真は型通り張ったもの。下は調整したものです。

最近は手芸でも日傘が作れるようですね。型通り作るのはそう難しくないと思いますが、型を作るのは結構難しくて、型ができても生地が変わるたびにこうして調整をします。洋服で言う所の補正ですね。傘の場合1mmの違いは8mmの違いになって出てきます。最初の頃はきつくて傘が開かないとか、頭のてっぺんがピョコっと飛び出すなど、市販品では見たことないような失敗傘がいくつも出来上がってました。

手芸の傘でも生地をオリジナルに変えると、うまくできないことがあるので気をつけてくださいね。きつくて開かないのも困りますが、素敵な生地がダブダブなのも残念ですから。時々ギブアップしてお電話いただきますが、直せなくはないと思うのですが、パラソラの日傘とは型が違い、作り方も違うので、今のところは頑張ってくださいと励ますにとどまっています。意地悪じゃないんですよ、ごめんなさいね。いよいよ力尽きたらご相談ください。

この傘も、これでよしとするか、もう少し修正できるのかさっきから眺めて考えています。