前回、藍染の日傘をなかなか見かけないというお話しをしましたが、今日の日傘は伝統的な注染染めの技法。とても個性的な日傘をオーダーいただきました。つなげてみないとどんなデザインに変化するかわからないのが八角形。すごく楽しい日傘になりました。
作家さんの意図はわかりませんが、皆さんはどんな風に感じられますか?
私には、バトンをポーンと投げて落ちてくるところ、歓声やパレードの音が聞こえる中、バトンを受ける緊張感。音が止まってゆっくりバトンが落ちてくる一瞬の光景のように感じられます。こうして上から見た状態のデザインと、横から見た感じ、そして日傘ならではの遠くからの見え方、それぞれに表情が違って見える日傘じゃないかなと思います。
そしてマニアックと言われるのを承知で言わせてもらうと、丸の形がすごく気持ちいい💕
どう説明していいかわかりませんが、懐が広いところ。昔フリーハンドのレタリングをしていた頃にも、懐の広い文字というのを描く人がいたんです。例えば「あ」の字の真ん中の空間、そこがふっくらゆったりしていると、みていてとても気持ちがいいんです。仕事を忘れて横でよく先輩の描く文字に見惚れていたものです。そんなゆったりした空間が丸の中に感じられて、とても魅力的な心地のいいデザインだなぁと思いながら作っていました。黙々と作っているようで、頭の中ではあれこれ独り言をつぶやきながら日々製作しております。
さて、夏休み前の仕事が一段落。お預かりのオーダーも、ピッタリ全て仕上がりました。まだまだ10月頃までは日傘使えますので、どうぞ帰省の際にはタンスの中の眠っているお着物など探してみてくださいね。明日の発送後は18日から仕事再開です。お休み明けは今のところお預かりがないので、約1週間ででき上がる予定です。