水引きに心惹かれて

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今となっては昔々となった結婚のお祝いで頂いたご祝儀袋の片付けをしています。大切にとってありましたがそろそろ良い頃かと。お名前を見ながら、最近はご無沙汰してるなとか、お世話になった方や親しくしていた人は今頃どうしてるかなと、ちょっぴり思い出に浸りながらの作業です。こういう時間、結構大事です。あんまり年を取ってしまうと思い出せなくなりますし、会いに行くチャンスもなくなってしまうから。今がいい頃かもしれません。

ところが何を思ったか、途中から違うことに目が行き始めてしまいました。そうでなんです、水引きにどんどん心が惹かれてしまい、またまた集めてしまいましたよ。水引きコレクション。(笑)こんな感じでなかなかモノとのさよならは難しいですね。

でも見てください。この美しいこと。ご祝儀を包むのにこんな繊細な方法で封をするなんて粋ですよね。何気なくみていたものもこうして並べるとすごく素敵。おめでたい形を数本の紙紐から作り上げてしまうのもすごいです。吉祥の松や梅の花、鶴亀。鶴一つとってもリアルなものから単純化したものまで。並べているうちに、これ鶴だったのね!と気付いた時の嬉しさといったら、数十年経ってやっと気がつきました。それだけでも取っておいた意味ありました。カタチをこれだけ削ぎ落としても鶴だと感じる日本人の感性は素晴らしいですよね。デザインやオシャレに無頓着な叔父だって、このシンプルな紐結びで鶴を感じてしまえるんですから。こんな素敵な文化に包まれて生活してることも改めて嬉しいなぁと感じる水引きあれこれでした。