今日の日傘も一点ものの布からご注文いただきました。折りたたみの日傘にお仕立てしています。
同じように絵の具で描いても作家によって個性が出ますね。また一人の作家からも同じものは2度とできないのが面白いところです。ピンクの甘いイメージもこんな色合いだと落ち着きがあって大人の風合い。
この生地を作った作家はまさか日傘になっているとは思ってもいないことでしょうね。描いているときは目の前の作品に集中してしまうものだから、色との勝負!みたいな気持ちで作っていると思うんです。どんどん色が混ざり合い、滲み、響き合い、思ってもみない色に変化して来るのが面白くて、一筆一筆ドキドキですし、またそれが乾いて来ると見えないはずの色が見えて来て、新たなハーモニーにまた勝負していくような布作り。布が出来上がるまでどんな仕上がりになるのか一番期待しているのは作家本人なんだと思います。
そしてでき上がった布が作家の手を離れ、次の持ち主の元へ。そうしたら形を変えこんな風に変身してしまうなんて。変化変化の繰り返しで、とっても面白い道を辿って出来上がっていると思います。私は間に入って日傘を作っただけですが、裁断一つでも違ったものになるかもしれなかったと想像すると、この出来上がりに至る出会いと偶然の積み重ねが愛おしくなりますね。そして次は新しいご主人様のもと日傘となってどこへ連れて行ってもらえるんでしょう。