裁断するまでが一勝負

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すっかり秋になってしまったと思っていましたが、暑さ、戻って来ましたね。まだ紹介できていなかった日傘をご紹介する絶好の機会到来です。(笑)

今日の日傘は浴衣から。珍しい色合いの浴衣でとってもきれいです。2本のご注文は、手元を変えてお揃いだけどちょっと違う出来上がり。見えていない方の日傘には竹の露崎と手元をつけました。出来上がりを眺めながら、「う〜ん、どちらかどうぞ」と言われたらどっちにしようかなぁ。と、お決まりの「どっちがいいかなぁ妄想」で楽しみます。いつも迷って選べないんですけどね。

こうした大きめの柄の場合、出来上がってしまうともう少し配置を上にして下にして横にして、ああもできた、こうもできたと思うんですが、今まで何100本と作ってきてわかったことは、あっちを直せばこっちがまた動く。ということです。少しの調整で裁断したつもりでも最後に布がギリギリのこともありますから、そんなことになるよりは最初にじっくり考えたら、そのあとはもう出来上がりを天に任せるつもりで裁断していきます。そして縫い合わせる前に再び並びを考えてバランスよく組み合わせます。それでも出来上がると、縫い代がつままれるので思っていた通りには出来上がらず、印象がガラリと変わります。

たとえば左の日傘お花の茎の裁断位置、迷いました。逆さの茎が入らない方がいいのかなぁと。でも出来上がると水に映ったようみえていい感じです。右の日傘では上の青いお花と隣の黄色いお花ぴったり繋がりました。なので対象側には大きなお花を1つどんと配置しています。うまく繋がらない時は黄色のリズムや青の流れなど、一本一本の中で見せ場を考えますが、半分は他力本願。案外出来上がると思いはよそに、可愛い日傘が出来上がっています。こちらの日傘の1本はお母様へのプレゼントになったそうです。10月とはいえ今日は真夏のように暑いですから、使ってくださってるかもしれませんね。