今日の日傘は可愛らしいチェックの日傘。洋風なイメージですが『正絹の反物』から作ったオーダーメイドです。お祖母様の形見のお品だそうで、「古いもので日傘になってくれるか心配です」とお手紙いただきましたが、このまま着物になってもとっても可愛らしいんじゃないかしらと思える綺麗な反物をお預かりしました。反物の場合、おおよそ2/3反ほど残るので、お揃いのブラウスなんかもできるかもしれませんね。つるっとしていて夏とても気持ちがいいと思います。
実は一目見た時から、優しい色合いにとっても惹かれて作りたくてそわそわしていた生地なんです。作っている間も、懐かしい香りに包まれて楽しい仕事でした。香りは脳を刺激しますね。昭和の色んなことを思い出しました。母の鏡台の前に座って口紅を顔いっぱいに塗った日のこととか。(笑)
さて、こうしたチェックの反物は、機織りをするときに縦糸に横糸を渡してバタンバタンカッカッと布を織って行くときの緯糸の織り具合で一反の反物の途中でもピッチが少しづつ変わることがあるそうです。ぐるりとラインが繋がった日傘のデザインももちろん素敵ですが、こうしてアクセントが生まれるのも反物の特徴なのでオーダーメイドの日傘ならではの面白さじゃないでしょうか。眺めていると機織り機の働いている姿まで想像できて愛おしさ倍増です。