新年おめでとうございます。
お正月休み、秩父銘仙館へ行ってきました。入り口に立った途端思わず「素敵」と口走ってしまうほど味わい深くてモダンな建物でした。館内では銘仙(めいせん)の歴史や工程を見学することができます。銘仙は竹久夢二の絵に出てくるような着物と言ったらイメージしやすいでしょうか。そんなレトロでモダンな着物を着た女性が行き来する姿も似合いそうな素敵な外観です。
銘仙は日傘作りを始めて間もない頃、ネットで偶然見つけた記事で知りました。昭和初期にとても流行っていたことや、画学生や若い画家たちがアルバイトでデザインをしていたらしく、アールヌーヴォーやアールデコを日本的に捉えていて、もっと沢山見てみたいと思って気になっていました。今の女の子達にも人気のありそうな華やかな色使いや可愛いデザインは、当時ファッションリーダーでもあった水商売の女性が好んで着ていたことなど、もう一度ちゃんと読みたいと思っているのですが、それ以来なかなかその記事を見つけることができなくて、私の記憶違いがあったらごめんなさい。
秩父銘仙館ではデザイナーについては知ることができませんでしたが、もう一つ気になっていた『ほぐし織』については知ることができました。織り方の話を聞いていてもなかなかイメージができなくて、実物を見てみたいと思っていました。
ありました、ありました。“経糸に模様を付ける”というこれ。どうしたらこんなことができるんだろうと思っていたんです。不思議じゃありませんか?糸が張ってあるのに模様が揃ってるって。ズレないってどういうこと?と思ってました。この展示で謎がひとつ解明されました。(^^)
『ほぐし織捺染体験』というのもあるそうなので次は是非体験したいみたいです。何事もやってみないとまだまだ謎がいっぱいで、どうやって作ってるんだろう、ここどうやったんだろうと、知りたいことだらけです。作ってる行程を知ると職人さんたちの技の凄さもわかるので、味わいが深くなるんですよね。大切な生地を預かる身としては品物もおのずと大切に扱うようになります。特に銘仙は絹織物と言うことで、糸が細いです。もう私の目ではムリです、何がなんだか、髪の毛のようにしか見えない細い糸を織っています。それなのに大ヒットしたということは大量に生産されていた訳で、どうやって生産していたんでしょうね。本当に不思議です。
秩父銘仙館で絹織物を堪能した後は、目の保養⁉︎、慈眼寺へ。眼の神様が祀られているとのことで、お詣りしてきました。最近とんと目が悪くなって細かい仕事が苦手です。まだまだ針仕事できますように。目に効きそうなお茶も買いました。
そして締めくくりは、秩父駅の『祭の湯』。お正月で鈍った身体をシャキッと目覚めさせる作戦です。突然思いついて出かけてきたので、タオルセットを借りました。連休中にも関わらず混んでいなくてゆったり、休憩所もゆったり。駅ヨコ温泉なので温泉上がって5分で特急電車なんてことも可能です。思いつきで出かけた秩父旅。思いがけず楽しく良い休日になりました。
休日明けからはいよいよ日傘作りも本格的に始まります。今年の夏用にと染めてもらった生地もすでに届いています。頑張って仕立てていきたいと思います。
皆さま本年もどうぞよろしくお願いいたします。