オーダーメイドの日傘」カテゴリーアーカイブ

一柳綾乃さんの日傘

この美しい日傘は………そうです一柳綾乃さんのデザイン。
水彩画作品を日傘にアレンジしています。美術館にあるモネやゴッホの日傘のような感じです。素敵ですね〜。涼しげで、この透明感のある空気にうっとりです。

さて昨日に引き続きどんなふうに日傘として仕上げているか、今日もちょっとご紹介しますね。
まず生地を日傘のサイズに裁断します。この幅にする前もですが、この段階でもどこを使うか考えます。面白いところ、見ていて飽きないところ、つい目がいってしまうところ、最もドラマチックなところを絞って、目測でどの向きで裁断するかを決めます。私が使いたいのは右端のブルーとピンクの混ざり合っているところと中央のお花、左下の黄色から赤、ブルーへの変化。そしてお花は首では切らない。これらを考えて型を置いて直接裁断して行きます。生地が足りなくなると困るので無駄なく裁断するため、かなり制約はあるんですが、左右どちらから始めるか、上下どちら向きで始めるかで使える部分が大きく変わってきます。責任重大。まさに作家とコラボしているような感覚です。

じゃーん。裁断できました。右下のブルーの部分は使えませんでしたが他は入りました。右から二番目のお花がないところも意外に大事なんです。だからここを少し左気味に裁断しているのはこだわり。一柳さんの作品で大切な空気を感じるところだからです。他のコマと関係なく存在してしまわないようにと考えての選択です。こんなことの積み重ねで1本の日傘が出来上がります。

先日ご紹介した作品展は大好評だったそうです。素敵な日傘を沢山オーダーいただきました。そして福井を皮切りに京都、静岡と巡回展を行うことが決定したそうです。楽しみですね。どうぞお近くの方はお出かけしてみて下さいね。案内状を貼っておきます。

クリックで大きくなります。

EMI SUZUKI さんの日傘

今日ご紹介するのはテキスタイルデザイナーの EMI SUZUKI さんの日傘です。
楽しいですね〜。本来は風呂敷なんですよ。触り心地がさらっとしていて日傘にぴったりなのは驚きです。オーダーのお問い合わせの時点で「どんな仕上がりになるかデザインを知る方法はありますか?」とご質問頂いたんですが、「正直、作ってみないとわかりません。」とつれないお返事しかできなくてごめんなさいね。言い訳と言ってはなんですが、なぜってこんな風に作るからなんです。

この2本の日傘は色違いの同じデザインの生地から作っています。風呂敷を半裁して1枚目は同じ裁断。そして2枚目は天地を変えて作ってみました。そうなるとつなぐ時もバランスが変わるので並びを変えていきます。だから、出来上がりも微妙に違います。どうですか、違いがわかりますか?

そんなわけで出来上がりを想像するのはとても難しいんです。そして裁断が5ミリ左右にズレても繋いだ時の印象が変わります。特にこういうデザインだと、もうどこがどこへ行ってしまったのやらで、出来上がりから逆算して同じものをと言われても私の頭ではとても難しいのです。それでも出来上がりはどちらも素敵でしょ。あまりコントロールしすぎず楽しんでもらうのが一番かと思います。

このポップで楽しい日傘は6/9から6/13、下記のギャラリーでお買い求めいただけます。ご興味ある方は是非お出かけしてみてくださいね。EMI SUZUKI さんは普段はフィンランドで活動されているんだそうです。だからこその綺麗な色使い。きっとほかにも沢山の素敵なデザインに出会えることと思います。案内状を貼っておきますね。

クリックで大きくなります。

粋な日傘

ここ数年5月はもう夏ですね。季節が2、3ヶ月ずれてしまったのかと思うほどの良いお天気。日傘屋にとっては嬉しい暑さですが、急いで作らねばと毎日どことなく焦っています。

こうしたお天気が続いていると、今日ご紹介するシャキッとした日傘、いいですよね。白と紺が粋。そして見た目がスッキリしているから気持ちも余計なことに煩わされなくて気持ちいい感じがします。今回は反物でお預かりしたので贅沢に柄合わせも意識して作りました。広げて見ると綺麗なラインが現れて、和柄なのにどこか洋風感も感じられます。そしてたたんだ時がまた綺麗。ストライプだけが見えて広げた時と違った印象です。差して良し、たたんで良しの2倍楽しめる日傘になりました。お揃いで袋もお作りしました。1つはプレゼントなんですって。喜んでもらえるといいですね。お揃いだけど少し仕様が違う出来上がりになるように袋の留めボタンも色を変えています。早速のこの暑さ大活躍しているのではないでしょうか。

内藤早苗さんの日傘

今日の日傘はテキスタイルデザイナーとご紹介していいんでしょうか、内藤早苗さんの日傘です。
カッコいいですね〜。こういう日傘、なかなか手に入れるのは難しいですよ。可愛い日傘というのは案外ありますが、かっこいいそして洗練されたデザインはなかなか見かけません。どんな人がさすんでしょうか。ファッションやアートに敏感な大人の女性をイメージします。そして男性でもカッコいいんじゃないですか。中性的な魅力がありますよね。染めなので実物の力強さは見れば見るほど吸い込まれそうに深く、この赤と黒の色の混ざり具合にときめかずにはいられません。私ももう少し自分がカッコ良い人だったらこの日傘差したいです。あ、もう少しより大分カッコ良かったらですかね。手元は椿、高級感のある黒のタッセルをつけました。

もっと早くご紹介したかったんですが遅くなりました。ただいま展示会されています。27日まで。ご興味のある方は是非どうぞ。クリックで大きくなります。

 

母の日の日傘

IMG_2126

今日は母の日ですね。パラソラの日傘もプレゼント包装のご依頼承っています。お着物からお揃いで二本作って一本はプレゼントに。こんなご依頼も最近増えていて、お母様から娘さんへ。娘さんからお母様へ。男性からは出来上がりの日傘をプレゼンに選んでいただくこともあって嬉しくなります。作っている私は母ではないので、日頃、誰にもなんのお世話もしていないのに母の日にはいいなぁと羨ましく眺めております。
母の日といえば、先日コンビニでこんなことがありました。外国人のとても気さくな店員さんが宅急便の発送票を見て
店員「なんて書いてあるの?」傘の字略字で書いてしまったのでわからなかったのかもしれません。
店員「あぁ、ひがさ?いいね。プレゼント?」
私「私が作ったものなの」
店員さん「手作り?すごいね〜。プレゼント?おかぁさんよろこぶよ。」って。
違うけど…どんどん話が好意的に進むので、つい言いそびれました。(^-^;
でもとっても優しいおしゃべりでほっこり気持ちよく荷物発送してきました。コンビニで話したくない人もいるかもしれませんが、昔はお店でのこんなちょっとしたやりとりは普通のことだったのに、少し新鮮に感じてしまいました。でも言われてみると、たとえ自分で作ってなくても手作りのプレゼントは喜んでもらえるかもしれないですね。モノによっては気持ちが入りすぎて「着てはもらえぬセーターを♬」なんて歌にもなりましたけど、さすがにそこまで思いを込めては作りませんから大丈夫、日傘はもっとサラリと軽やかに差してもらえると思います。おリボンほどく時のワクワク感は幾つになっても変わらないものです。お誕生日のプレゼントや帰省のお土産にも、ぜひラッピングお声掛けください。

寄り添う日傘

IMG_3678

パラソラのオーダーメイドは、お好きな生地を選んでお好きな手元を付けて自分だけの日傘が作れるところが一つの面白さだと思っています。だから色々な組み合わせの日傘が出来上がって作り手としても楽しいところ。生地選びにもセンスが反映されますものね。服を選ぶように日傘も選べるなんて、デザインを考えていると力入っちゃうんじゃないでしょうか。

さて今日ご紹介の日傘は浴衣から。届いた包みを解いた時から綺麗に解いてたたまれて、大切にされているなという印象を受けました。添えられたお手紙からもお気持ちが伝わります。自分デザインの日傘の一方で、こうした思いに寄り添うデザインもとても素敵な選択だなと思います。

薄いブルーグレーの地色に深い紺色がとても綺麗です。ところどころグリーンや黄色の差し色がされているところもこの柄を柔らかく見せてくれていて、こういう色使いって見れば見るほど華やいでくるというか徐々に色が見えてくるところがいいですね。水の流れや藤の花もそよそよ音が聞こえて来そうです。どこか名画鑑賞にも似てますね。ってちょっと大袈裟ですけど。そんな風に私は柄をみてしまいます。

そしてこの日傘の素敵なところは何と言っても触り心地。解いた着物だからでしょうか。肌に優しくて、たたむ時手のひらがとても気持ちがいいんです。案外気がつかないことですが気持ちがいいと神経がそこに集中して、「あらっ。気持ちいい。」ってなるんです。もちろん手元でも気持ち良さも感じますよ。ひやっとしたり天然木の心地の良さだったり。暑い時期のお出かけは日傘やバッグ、触り心地に気をつけて選ぶと何気ないときに冷やっとサラッと伝わって、もっと快適になるかもしれません。どうぞ参考になさってくださいね。

型染めの日傘

IMG_2486

GWも、オーダーメイドの日傘、作っておりますよ。着々と進んでいます!
今日ご紹介するのは作家さんからのご依頼。お着物のための柄を日傘用に染められたそうです。流石に繊細なデザイン。

毎年少しづつ染め体験していたので最近は柄を見てどんな工程で染められているのかがなんとなくわかるようになってきました。なので、この型すごいです!っていうこともよくわかります。どれだけの手仕事の積み重ねでここにこうして日傘になっているのか。おまけに私の散歩コースの風景なんです。もちろんお会いしたことはないのでワタシのための風景ではないんですけどね、こういう世界観は誰にでも心の中に持っているんじゃないかしら。この藍と白の世界からどれだけ想像力を膨らませることができるかで、きっと味わいも変わってくるんでしょうね。

そしてもう一本お作りしました。こちらは折りたたみ。
IMG_2489

美しいですね〜。同じ生地から作られていますが、印象が変わりますね。日傘としては少々厚めの生地だったので色々ご相談しながら進めましたが、ほぼ最初のご依頼通りに仕上がりました。通常折りたたみは骨を折って畳むので生地も小さくたたまれて重なるため思った以上に薄い生地で作られているんです。ななかなかそこを作る前に読むのが難しいのですが、結果オーライ。素敵な折りたたみの日傘になりました。

引き続きワサビエリシのパラソラ展は15日まで
201705_wasabisya_omote(1)201705_wasabisya_ura

模様が繋がって

暑くなってきましたね。街ではそろそろ日傘も見かけるようになりました。今年はありがたいことに、宣伝していないのにたくさんオーダーいただいています。やっと検索でも見つけてもらえるようになってきたのかな。仕上がりまでお待たせしてますが、順番に進んでいますので、もう少しお待ちくださいませ。

さて久しぶりにオーダーの日傘のご紹介。
時々お客様から「blog を見ていると、みなさんの日傘がどれも素敵でどんなのを作ってもらおうかとすごく迷っちゃいます。」なんてメッセージも届くんですが、自由度が高いので、きっと写真を見てあんなこともできる、こんなこともできるなんて想像が膨らんでしまうのかもしれませんね。更新を楽しみにしてくださっているようなので、なるべく頑張ってご紹介していきますね。

IMG_3557

今日の日傘は手ぬぐいからお作りしました。4枚使用しています。
外へ外へと広がるのびのび気持ちのいい日傘ができました。こういう放射状に広がるような柄は元気になっていいですよね。よく見ると可愛いお花の柄なんです。傘になる前はよく見なくてもお花の柄なんですけど、三角にして繋いで上から見ると思ってもいない形が現れてきて、雲のようなフワフワっ、のびのびっとした形が目に飛び込むように変化しました。草木がどんどん伸びて行く今の季節にもぴったりな日傘です。今年はもう使えますものね、お出かけ楽しんでもらえてたら嬉しいです。

ペタコさんの日傘

IMG_3638

今年もイラストレーターのペタコさんの日傘をお作りしています。
「ひゃあ〜可愛い💕💕💕」と届いた刺繍を見て小躍りしてしまいました。

色鮮やかな新之助上布に小さな刺繍。めちゃめちゃ乙女ゴコロをくすぐります。写真ではちょっと見づらいですが、桜のストレートな手元に象嵌もしてあります。それが露のようにキラッと光ってとてもきれい。そのキラッが持ち歩く時ボタンと並べて正面にするのがいいか、差している時に正面に見えてキラッがいいのか迷って正面にキラッ✨につけました。この日傘を差して歩いていたらきっと女っぷりも上がりますね。お顔の色も品良くきれいに見えそう。

ペタコさんのデザインは、お着物好きの方なら富士商会さんとして刺繍の半襟や小物などを目にすることも多いのではないかと思います。いつもお着物をおしゃれにお召しでセンスの良さは会うたびに思わず「素敵!」っと呟いてしまうほど。先日も本屋さんで雑誌『七緒』を立ち読みしていたら、ペラペラっとめくったところに大きなペタコさん!思わずびっくりして買ってきてしまいました。

そんなペタコさんデザインの日傘はこちらでご注文いただけます。刺繍もオーダーで柄をお選びいただけるんじゃないかしら。

IMG_2127

日々をまとう

このblog でも何度かご紹介している一柳綾乃さんから、素敵なDMが届きました。(京都)写真の日傘は昨年パラソラでお作りしたものです。作りながら何度も眺めていましたが、差されている日傘をこんな風に見る機会はなかなかないので、イメージが膨らみますね。空に溶けだしそうでとっても素敵。以前ご紹介した記事のリンクを貼っておきますのでどうぞ合わせてご覧ください。

一柳綾乃さんの日傘 記事を読む
日傘という額縁 記事を読む

IMG_3517

IMG_3518

手作りだからこんなことも

IMG_1437

今日の日傘はタンザニアの生地から。お客様のご希望で生地の耳部分の文字を入れて作りました。面白い試みですよね。こういうアイデアこそ傘屋さんからは絶対出てこないのでオリジナル感たっぷりです。今までお使いの傘ではボタンかけに苦労されていたようで、ボタンの付け方や、日傘の持ち手の重さなど、実際に手にして注文できないのでご心配だったようですが、出来上がりをお届けすると、どちらも問題なしでとても喜んでいただきました。

それどころか「晴れの日を待ちきれずに撮影しました!」と素敵なお写真も送ってくださいました。もう梅が満開なんですね。お花に誘われて待ちきれなかったのかな。嬉しいです。💕

IMG_3551

そうそう、紫外線を気にされるなら曇りの日こそ、実は日傘さした方がいいんですよ。海へ行っても陽が射していないからって油断していると帰りに真っ赤になったりしますよね。私も若い頃痛い目にあいました。忘れもしません、プールサイドでうとうとしてしまったために、帰りの電車で熱が出たのかと思うほど酷いことになって、それから曇りの日の紫外線実感しています。

なのでUV加工を気にされるなら曇りの日にも差してくださいね。因みにパラソラの日傘はUV加工していませんが気になる方はスプレーしてください。素材に特殊加工していない限り、UV加工してある日傘でもUVカット効果は一年程度だそうです。昨年の日傘も使う前にスプレーしておくと安心ですね。

モダンな日傘

クラッシックな日傘を作りたいと思って、昨年お試しのつもりで職人さんに作ってもらった、まっすぐな手元。私が思っていたよりもずっと人気があって、あっという間に品切れになってしまいました。さて今年はどうしたものかと思っていると、お客様から「いつ入荷しますか?待ってます。」とご連絡いただいて、慌てて今年も作ってもらいました。

IMG_3520

ネットショップでは、なかなかお客様の表情まではわからないので、お店に並べていても気に入ってくださっているのか、ふ〜んと通り過ぎてしまわれているのか、なかなか計り知れないのですが、きっと次の夏のために日傘作ろう!とデザインを思い描いて、生地を探して、楽しみにしてもらっていたんですね。入荷を何ヶ月もお待ちいただきました。送られてきた生地をみて、あまりにぴったりのデザインで、これは待って頂いた甲斐があったなと、作る前から出来上がりが楽しみでした。シンプルなのにインパクトがあってタッセルの黒が全体のバランスを引き締めてくれています。生地を見つけた時から日傘のデザインが思い浮かんでいたのでしょうね。理想の日傘作りのお手伝いができて嬉しいです。

ナイトウカズミさんの日傘

img_3360

いよいよ涼しくから肌寒くへと季節は移ってきましたね。芸術の秋、週末の予定に美術館やギャラリーでのアートや作品展巡りにもいい季節ですね。

今日ご紹介の日傘はイラストレーターのナイトウカズミさんのデザインです。色々な表情のシロクマたちが愛嬌振りまく楽しい日傘ができ上がりました。今回は2本お作りして一本は長日傘、もう一本は折りたたみです。来週から始まる作品展でお披露目となりますので、パラソラからは一足早くチラ見せでご紹介です。この可愛らしさはクマちゃん好きの私の友人も目がないんじゃないかしら。

ナイトウカズミさんの表現する表情豊かなシロクマたち、特にフエルトのイラストレーション?っていうんですか、リンクでもHPをご紹介しますがイラストが紙から飛び出てきたような作品には思わずクスッとなってしまいます。カメラをぶら下げていたり、ギターを弾いていたり。小物もとっても可愛いんです。あの作品はチクチクとするあのフエルトワークですよね。一度やったことありますが大変大変。私は小さな枝豆一個作っただけですが(笑)プロが作るとあ〜んなに楽しい世界が出来上がるんですね。ぜひHPの方もご覧いただいて、世界観を感じていただけたらと思います。来週からの作品展もご紹介しておきます。

ナイトウカズミ作品展
2016.10.21金)〜25(火) 12:00〜18:00
Gallery Cafe Kirin
〒556-0002 大阪市浪速区恵美須東2-3-17
堺筋線 恵比寿駅徒歩5分 ローソン2F

詳細はナイトウカズミさんのHPでご確認ください。
http://pirimaru.com

北欧風の柄の日傘

img_9377夏の間毎日毎日作っていた日傘。オーダーをいただく際に、blog等でご紹介していいですか?とお聞きしています。そこでご了承いただいた日傘は、できれば皆さんの出来上がりをご紹介したいと思っているのですが、暑い日には心待ちにしてくれているかもしれないと思うと、できるだけ早くお届けしようと撮影できないまますぐに発送していました。ご好意いただいたのにお答えできなかった皆さまごめんなさい。でも小さな布端だけはしっかりご注文書に張ってお問い合わせの際には思い出せるようにしてありますからどうぞご安心くださいね。

さて今日の日傘も麻からお作りしています。薄いグレーが涼やかで綺麗ですね。北欧風と言っていいのかしら。今とっても人気がありますよね。私も北欧のデザイン大好きなんです。家のリビングは明るい白木の床にして北欧風のインテリアも似合うような内装にしてもらっているんです。でも最近下ばかり向いて縫い物していたせいか、ちょっと地味になってきたかもしれません。見直さないといけないですね。考えていたらもう少しスカッと暮らしたくなってきました。

この日傘の切り絵のような柄は優しくて心地いい気分にしてくれますね。特に最近こういうグレーがいいなぁと思っていたところなんです。グレーやグリーン、茶など自然と調和するこうした色合いは身に付けるものにも取り入れやすいので、日傘にもとてもいいですね。生成りの麻がベースなので、春先から秋まで使えると思います。あまり白っぽい色だと冬服には合わないので、お洋服に準じた素材で日傘も使ってもらえるといいと思います。

 

麻の日傘

img_3364

暑くなりましたね〜。と10月の書き出しだというのに堂々と日傘の紹介できる、ありがたい暑さです。確か昨年もまだ今頃まで日傘の出番があったように記憶しています。

今日ご紹介の日傘はシンプルな麻の生地からのオーダー品です。螺鈿のボタンがアクセントになっています。いいですね〜。こういう日傘案外探しても見つからないんです。市販のものはシンプルに見えても大概は縁にレースがついていたり、ロゴが刺繍されていて可愛い方向か、ブランド志向か、はたまた流行方向へデザインされていますよね。もちろん可愛いアクセントやデザインもいいんですが、シンプルなものは探してもなかなかないということなんです。無地だからこそ素材にこだわって手元の木やボタンの石や貝と組み合わせることを考えてみてもいいですよね。工夫する面白さがあって、オーダーならではの個性が出せると思います。こうした無地の生地ではコーディネートの仕上げに入れたい差し色や、ご自分に一番似合う色を日傘に仕立てておくとお出かけの際の強い味方にもなってくれそうです。お顔も明るく見えていいかもしれません。これからオーダーをお考えの方にも是非参考にしていただけたらと思います。

裁断するまでが一勝負

image

すっかり秋になってしまったと思っていましたが、暑さ、戻って来ましたね。まだ紹介できていなかった日傘をご紹介する絶好の機会到来です。(笑)

今日の日傘は浴衣から。珍しい色合いの浴衣でとってもきれいです。2本のご注文は、手元を変えてお揃いだけどちょっと違う出来上がり。見えていない方の日傘には竹の露崎と手元をつけました。出来上がりを眺めながら、「う〜ん、どちらかどうぞ」と言われたらどっちにしようかなぁ。と、お決まりの「どっちがいいかなぁ妄想」で楽しみます。いつも迷って選べないんですけどね。

こうした大きめの柄の場合、出来上がってしまうともう少し配置を上にして下にして横にして、ああもできた、こうもできたと思うんですが、今まで何100本と作ってきてわかったことは、あっちを直せばこっちがまた動く。ということです。少しの調整で裁断したつもりでも最後に布がギリギリのこともありますから、そんなことになるよりは最初にじっくり考えたら、そのあとはもう出来上がりを天に任せるつもりで裁断していきます。そして縫い合わせる前に再び並びを考えてバランスよく組み合わせます。それでも出来上がると、縫い代がつままれるので思っていた通りには出来上がらず、印象がガラリと変わります。

たとえば左の日傘お花の茎の裁断位置、迷いました。逆さの茎が入らない方がいいのかなぁと。でも出来上がると水に映ったようみえていい感じです。右の日傘では上の青いお花と隣の黄色いお花ぴったり繋がりました。なので対象側には大きなお花を1つどんと配置しています。うまく繋がらない時は黄色のリズムや青の流れなど、一本一本の中で見せ場を考えますが、半分は他力本願。案外出来上がると思いはよそに、可愛い日傘が出来上がっています。こちらの日傘の1本はお母様へのプレゼントになったそうです。10月とはいえ今日は真夏のように暑いですから、使ってくださってるかもしれませんね。

 

変化して変化して、日傘に

img_3359

今日の日傘も一点ものの布からご注文いただきました。折りたたみの日傘にお仕立てしています。

同じように絵の具で描いても作家によって個性が出ますね。また一人の作家からも同じものは2度とできないのが面白いところです。ピンクの甘いイメージもこんな色合いだと落ち着きがあって大人の風合い。

この生地を作った作家はまさか日傘になっているとは思ってもいないことでしょうね。描いているときは目の前の作品に集中してしまうものだから、色との勝負!みたいな気持ちで作っていると思うんです。どんどん色が混ざり合い、滲み、響き合い、思ってもみない色に変化して来るのが面白くて、一筆一筆ドキドキですし、またそれが乾いて来ると見えないはずの色が見えて来て、新たなハーモニーにまた勝負していくような布作り。布が出来上がるまでどんな仕上がりになるのか一番期待しているのは作家本人なんだと思います。

そしてでき上がった布が作家の手を離れ、次の持ち主の元へ。そうしたら形を変えこんな風に変身してしまうなんて。変化変化の繰り返しで、とっても面白い道を辿って出来上がっていると思います。私は間に入って日傘を作っただけですが、裁断一つでも違ったものになるかもしれなかったと想像すると、この出来上がりに至る出会いと偶然の積み重ねが愛おしくなりますね。そして次は新しいご主人様のもと日傘となってどこへ連れて行ってもらえるんでしょう。

日傘という額縁

そろそろ秋の気配ですね。

img_9182

今日の日傘は一柳綾乃さんのデザイン。光を通すとキラキラ光ってとてもきれいです。こんな風に窓辺に置いて眺めているだけでも心安らぎます。デザイーが自ら手書きした一点ものの作品を、こうして手元に置いて眺めていられるなんて贅沢なことですね。

絵画を購入するのは敷居が高いと思っている人も、お気に入りの布はつい買ってしまうなんてことありませんか。抽象画は苦手といいながら、服なら好きな色やデザインを自然に選んでいます。お気に入りの布はパネルに張って絵画のように眺めるのもいいかもしれません。そんな考えの延長で眺めていると作品を日傘という額縁に入れて持ち歩けるなんて、とっても嬉しくて贅沢なことのように思えてきました。

作家。絵描き。時々デザイナー。
一柳綾乃 Ayano Ichiyanagi
http://ayanoichiyanagi.wixsite.com/ayano-ichiyanagi

お馴染みさんに。

関東地方は雲に覆われて、太陽が恋しい気もする8月の終わりですね。みなさん体調など崩していませんか?私もイマイチスッキリしない毎日で気圧に振り回されていますが、いっときの忙しさからは一息ついて、1日1本!と、どこかのコマーシャルのような制作スケジュールで今週は進めています。台風が去ったらまた暑くなりそうですから、まだまだ日傘活躍しそうです。

今年はパラソラも4年目。嬉しいことにリピーターのお客様が増えてきました。そもそも傘屋さんというのは街の商店街にある小さなコミュニティで成り立つお店屋さんで、老若男女、どなたにも合ういろいろな傘を揃えて販売していました。そんなお店を見て育ってきたからでしょうか、ネットショップといえども、お客様の好みがわかるようなお店がいいなと思っています。生地のこと、おしゃれのこと、情報交換しながら少しづつ続けていけるのが理想です。日傘を通して集まった良いもの情報がまた誰かのお役に立てたら、なお良いですものね。昔のお店やさんにはそんな情報交換の役割もあったかも知れませんね。「ここちょっと調子悪いけど治る?」なんて気軽に声をかけてくれるお馴染みさんが増えてくれたらいいなと思っています。

今日ご紹介の日傘はそんなリピーターのお客様。昨年の日傘を気に入ってくださって今年もオーダーいただきました。昨年は沢山のお着物の中から選んだ初めてのオーダー、そして今年も。一度作ると、日傘になるとこんなかんじかしら?と想像もしやすくなって、また作って見たくなるのかもしれませんね。白木の手元もこのお花柄にぴったりですよね。年齢を選ばず永く差していただける日傘になりました。色が落ち着いているので秋の街にもしっくりなじみそうです。たしか昨年も10月中は日傘を差している方を見かけたので、今年もまだまだたっぷり使ってくださいね。

image

楽しいデザインの日傘

image

前回、藍染の日傘をなかなか見かけないというお話しをしましたが、今日の日傘は伝統的な注染染めの技法。とても個性的な日傘をオーダーいただきました。つなげてみないとどんなデザインに変化するかわからないのが八角形。すごく楽しい日傘になりました。

作家さんの意図はわかりませんが、皆さんはどんな風に感じられますか?
私には、バトンをポーンと投げて落ちてくるところ、歓声やパレードの音が聞こえる中、バトンを受ける緊張感。音が止まってゆっくりバトンが落ちてくる一瞬の光景のように感じられます。こうして上から見た状態のデザインと、横から見た感じ、そして日傘ならではの遠くからの見え方、それぞれに表情が違って見える日傘じゃないかなと思います。

そしてマニアックと言われるのを承知で言わせてもらうと、丸の形がすごく気持ちいい💕
どう説明していいかわかりませんが、懐が広いところ。昔フリーハンドのレタリングをしていた頃にも、懐の広い文字というのを描く人がいたんです。例えば「あ」の字の真ん中の空間、そこがふっくらゆったりしていると、みていてとても気持ちがいいんです。仕事を忘れて横でよく先輩の描く文字に見惚れていたものです。そんなゆったりした空間が丸の中に感じられて、とても魅力的な心地のいいデザインだなぁと思いながら作っていました。黙々と作っているようで、頭の中ではあれこれ独り言をつぶやきながら日々製作しております。

さて、夏休み前の仕事が一段落。お預かりのオーダーも、ピッタリ全て仕上がりました。まだまだ10月頃までは日傘使えますので、どうぞ帰省の際にはタンスの中の眠っているお着物など探してみてくださいね。明日の発送後は18日から仕事再開です。お休み明けは今のところお預かりがないので、約1週間ででき上がる予定です。