月別アーカイブ: 2017年7月

アフリカンプリントの元気な日傘

関東は今日ついに梅雨明けしましたね。梅雨らしい梅雨もなく夕立のような雨と、昨日の嵐で開けてしまいましたね。ここからは毎日かんかん照りの日々が始まるんでしょうかね。

今日の日傘はアフリカンプリントの元気な日傘です。以前blogでご紹介したアフリカンプリントの日傘のように、「生地のミミにプリントしてある文字を1箇所、縁にアクセントとして使ってください。」とのご希望。お使いになる方は目の付け所が違いますね。ミミのプリントがこんなに人気があるなんて。作り手側からは出てこないアイデアですよ、ほんとに。

さて、この大きな柄。縁に1箇所文字を入れるために裁断すると、柄がぐるりと繋がらなくなってしまうんですね。底辺の高さが変わります。丸の中心の茶色の高さは揃えたいですものね。そこで、考えた結果、留め紐に使うことにしました。目立たないけど、傘を閉じて巻いた時にはしっかり主張します。写真があまり上手じゃないので分かりにくいですが、ボタンはパッチワークのようになった貝細工ボタン。キラキラして可愛いです。太陽が眩しい季節に明るい色の元気な日傘があったら、暑い日もお出かけが楽しくなりそうですね。

 

2017年7月19日

バティックの日傘

今日ご紹介の日傘はインドネシアのバティックから。いつもとちょっと雰囲気が違うのは折りたたみの日傘だからです。頭の部分が石突きになっていてサイズもほんの少しだけ長日傘より大きめです。

この日傘、私物なんですが普段使いには長い日傘が差し易いので、あまり出番がないんですが、夕方までのお出かけにはやっぱり折りたたみも便利です。三連休最終日の昨日は江戸東京博物館から浅草までぶらぶらと散歩に出かけて来ました。

柄物なので私にしては派手かなぁと思っていましたが、客観的にこうして見ると思ったほど派手には見えないものですね。バティックは「ろうけつ染めの布」のことを言うそうですが、この染め方も裏まで色が染まっているので日傘にしても綺麗です。差していても柄に程よい抜け感があるので木漏れ日のように涼しく感じられて気持ちがいいんですよ。バティックは日本でもジャワ更紗という名で昔から使われていたらしくて、博物館にも可愛らしい更紗のタバコ入れが展示されていました。江戸の人たちも好んで使っていたんですね。

2017年7月18日

カンガで日傘

今日は明るくて、夏にぴったりの日傘のご紹介です。カンガという生地だそうですよ。明るくて楽しくて素敵な日傘になりそうです。blogを読みながら一緒に作っているつもりで楽しんでいただきたいので、出来上がりの写真は最後のお楽しみにしましょう。

約2メートルの大きな生地からスタートです。お手紙には出来ればボーダー部分をぐるりと一周使ってくださいとのこと。パラソラの作り方ページをご覧になっている方はもうお分かりかと思いますが、三角の生地を互い違いにせずに、三角を横に並べて裁断していくので贅沢に生地を使います。

ところが、何かおかしい。そうなんです、この写真のよれっとした感じ。雑に置いたわけじゃないんですよ。生地が歪みます。比較的日本製の生地はピシッと縦横生地の目が揃っていますが、外国の生地はそこがゆる〜い感じです。でもこれはこれでいいんです。身体に巻いて使うものだから。ただ日傘にしようと思うと、地直しはしないといけません。出来上がりに歪みが出ちゃうので。それにしてもすご〜〜〜く曲がってます。あっちを直すとこっちがヨレ〜。こっちを直すとあっちがヨレ〜。写真ではわかりにくいんですが、円の柄が楕円になるぐらい、写真でも右端のライン曲がってますでしょ。柄に騙されないように生地の糸目との戦いです。1時間近く格闘しました。私の日傘製作史上稀に見る難しさ。地直しのコツってあるんですかね。

さて気を取り直して裁断です。横に並べて裁断というのはこういう裁断の仕方です。実はもっとオレンジの柄を入れたかったんです。地直しも頑張ったことだし。ボーダーが幅広すぎる気もするし。水色の半分ぐらいまで底辺をカットしても連続柄が面白いので三角を全体的に上にあげようかなとも。しかし、左右の縦の柄が入らないようにすると入れられる位置がギリギリ。大きな生地なのにまさかのギリギリ。最初の予想に反してボーダーの幅が半分近くまで広くなりました。

そして出来上がったのがこちらの日傘。じゃーん。

可愛イィ!素敵っ💕自画自賛!予想に反して、ボーダーが活きています。カットしなくてよかった。とっても可愛いです。いつも思うけど私の目は節穴ですかね。お客様のお見立てにいつもあっぱれです。

こんな感じで出来て見ないとわからない日傘作り、楽しんでいただけましたか?そしてパラソラは今日も悩みながら楽しんで作っています。

2017年7月13日

正絹の着物から日傘

毎日来る日も来る日も日傘を作っているので、そろそろ夏も終わりかしら?という気にもなりますが、まだまだ本格的な夏はこれからですね。今はパラソラのオリジナル日傘はお預けで、オーダーメイド優先でお作りしています。お待たせ中の皆様、もう少しだけお待ちくださいね。
もしも、パラソラの日傘をいつできるの?ってお待ちの方いらっしゃいましたらお声掛けくださいね。ご依頼があれば急いで作ります。ε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘

パラソラでは「浴衣からもお作りします。」とご紹介しているためでしょうか、「絹でもできますか?」とよくお問い合わせをいただくのですが、もちろん絹でも作れます。よほど薄い、厚い、硬いでなければ作れるんですが、服と違って骨に巻く扱いやすさを考慮すると向き不向きはあります。今日ご紹介するのは正絹の日傘です。珍しく続けてご注文いただいたので2点一緒にご紹介します。

1本目の日傘は紳士用の反物からご注文いただきました。く〜ッカッコいい。私はこういうタイプかなり好みです。オーダーメイドでは個性的なご注文が多いのですが、意外にもこういうシンプルな日傘、使い勝手が良いと思うのです。服を選ばないというか。あくまでも私の場合ですけどね。遠目には一色に見えるので、スーツのようなきちんとした服でも、お着物でも、涼しげなワンピースでも良いんじゃないかとおもいます。反物の幅が広めなので約3.2mでできました。

2本目のこちらの日傘も使いやすそうなモノトーン。よく見ると互い違いに白黒白黒と柄が並んでいます。なので柄合わせしています。この規則性に気がつけばなるべく合わせるのですが、染める時の版のサイズが違ったり、折のピッチが違ったりで、繰り返しがお着物によってまちまちなんですね。もしかすると着丈に関係してくるので決まりはあるのかもしれませんが、規則性見つからない時はそれなりに。この日傘の場合のように柄が大きいのと、柄合わせで生地が足りなくなることもあるので、合わせられないこともありますが、今回は上手くいきました。

どちらの日傘もつるっ、さらっ、シャキッとしていて触り心地とってもいいです。畳んだ姿も綺麗で、防水加工が可能なら雨傘にもいいかもしれません。因みに防水加工は数がまとまらないとできないので、パラソラではお作りすることができないのが残念ですが、このタイプの絹はとても美しく仕上がります。

2017年7月6日