月別アーカイブ: 2017年8月

唐草文様の日傘

今日の日傘は唐草模様の生地から。唐草模様と聞いてパッと思いつくのはグリーンの地に白の唐草模様の風呂敷。こんな風に渋い色合いの唐草模様は新鮮ですね。緑の唐草文様はあまりにも伝統的な柄なのでパターン認識していて、この生地を見て改めて唐草は草花柄だったと思い起こしました。

ところで日傘を選ぶとき柄の大きさは気にしていますか?鏡で写してみるとお顔映りの印象など随分違うことに気づかれると思います。柄の大きさでも印象が随分違うことがありますよね。小さな柄では、近くでは柄もはっきり見えますが、離れたところでは柄を認識することができずに、色が混ざり合って見えます。例えばこの日傘の柄が細く小さな唐草だったら、遠目には白が混ざりこんで無地のように見えるかもしれません。一方こうした大きめのくっきりしたデザインは遠目からも柄がよく目立ちます。どちらがお好みか、ぜひ柄選びの参考にして見てくださいね。

さて、この唐草紋様は、日本では伝統的な吉祥文様なので最も日本的なものと思いがちですが、実は日本へは、古代ギリシャからエジプト、ヨーロッパ、アジアとシルクロードを渡って伝えられたそうなんです。だから世界中に進化した唐草文様があるんですね。みなさんご存知のウィリモリスの壁紙も唐草模様です。日本の唐草はそれに比べて葉っぱがどんどん小さくなって随分簡略化されていますよね。線だけの柄もありますものね。シンプルへシンプルへと進化して来たようです。そしてもっとシンプルなのはラーメンの器に描かれている中華柄。これも唐草の変化系ですよね。調べてみると唐草模様、国によって色々変化を遂げていて面白そうです。

*写真が下手で白く写っていますが実際には小豆色の唐草柄です。モダンです💕

2017年8月31日

心ときめく浴衣の日傘

7月の終わりごろオーダーのご注文をいただきました。形見のお品物で日傘を3点、お父様とお祖母様の思い出のお着物が新しい形になって、次の世代のご家族へ引き継がれて行きます。そういうご事情ならと、お盆までにお届けしようと頑張りました。あまり信心深くはないですが、そういうことふと思ったりするんですよね。「お盆に帰るからそれまでに日傘にしとけよ〜。」って言われているような。それにしてもこの3本の組み合わせがなんとも言えず素敵です。お店にディスプレイするならこんな組み合わせで大柄、中柄、細かい柄で飾りたくなりますよね。それだけ華があるということなので、もちろんお三方で一緒にお出かけされたら素敵ですよ〜。想像するだけで振り向いちゃう。なかなかみなさんがお会いできることも少ないのかもしれませんが、この3本の日傘に離れていても寄り添っているような素敵なご縁を感じます。

さて、最近メールがうまくお送りできないことが多くて、お写真お送りすると届けられませんメールが戻ってきてしまうことがあるんです。何十通も送ってしまったので、もしかしたら私が迷惑メールになってしまってるかもしれないのですが。普段iPadを使っているのが原因なのか、アドレスが違っているのか…。

2017年8月26日

爽やかな藍染めの日傘

久しぶりにまた暑い夏が戻って来ました。しばらく猛暑日が続くそうですね。ここのところ日傘の出番も少なかったので、お出かけの際、持って出かけるのを忘れないでくださいね。

今日ご紹介するのは爽やかな藍染めの日傘。染めている色は一色のはずなのに、こんなに色鮮やか。濃淡で変化がついて、とても綺麗ですね。

こちらの日傘はお着物を解いて洗い張りしたものを送っていただきました。よく見ると柄が横に繋がっていなくて途中で段がずれているデザインなんです。わかります?小さな変化ですが柄合わせをして繋ぐと動きが出てとても面白いですね。涼しげで爽やかな素敵な日傘になりました。

2017年8月23日

カラフルな川の石

山中温泉から少し山へ入ったところにおいしいお蕎麦屋さんがあります。不便な場所でお蕎麦を食べるだけに山道を走るような所なんですが、人気のお店で毎年車が止められないほど混んでいます。今年は道が一部通行止になっっているらしく、いつもより空いていてゆっくり行って来れました。

写真は途中で見かけた川。フォッサマグナミュージアムへ行った後のこともあって、糸魚川よりもカラフルなこの石には敏感に反応してしまいます。車を止めて最初は大人しく眺めていたけど結局ジャバジャバと入って石拾い。海の石よりまだ角ばった感じです。昔はこのもう少し上流でよく川遊びをしたものです。虫に刺されるのでパジャマを上に着せられて泳いでいるような都会のひ弱っ子でした。今ではすっかり川遊びもしなくなってしまったけど、こんなに綺麗な川だったんですね。あとで調べてみると九谷磁器の古い窯跡の近くでした。今まで山中塗の漆に気を取られていましたが、なるほど九谷焼きの産地もこのあたりだったんですね。

ここ数年、墓参のために北陸へ行くたび自分のルーツのようなものが気になるようになりました。
職人になろうなんて気持ちはこれっぽっちもないままに始めた傘の仕事。父の仕事を知っておきたいと思ったこともひとつにありますが、母方の祖父の影響も受けていたのかもしません。祖父もまた職人で塗師だったそうです。母は呉服屋に勤めていたので、着物と日傘の融合が今の仕事になっているのは面白いことだと感じます。最近は自分のルーツをつないでカタチにすると面白いことが生まれるような気がしていて、毎年仕事のアンテナ張っての北陸旅です。

2017年8月22日

能登半島ドライブ

旅の後半は能登半島へ行って来ました。宿も取らずにその日の風まかせ。だからこその素敵な光景にも出会えて感動がいっぱい。能登半島先端近く、木ノ浦海域公園。名所の灯台の少し手前ということもあり、人も少なくて泊まっている人ぐらいしかいなかったんじゃないかしら。小さな湾になっていてオープンカフェはジャズが流れるゆったりした空間。若い女の子たちがお店の外で風にあたりながらランチしてたのが気持ち良さそうでいい感じでした。水着に着替えてドボンとそのまま海に飛び込んじゃおうかなんて想像しながら海を眺めるのんびりしたひととき。


窓岩。このあたりは奇岩が続いて地形に詳しくなくても変化が面白い地形です。近くにある塩田も見て来ましたよ。海水を砂に巻いて塩を作る作業は「もう少し早く来れば良かったのに」と言うことで、まき終わった後で残念でした。今でも手作りの製法で作っている能登塩、しっかり買って来ました。

 

白米千枚田。下まで降りて登ってくる周遊コースは15分。遠くに見えているのは朝市の輪島です。

 

能登さくら駅。海を眺めようと車を止めに小道を入ったところにあった小さな可愛い駅。丁度青い電車も入ってきて、映画の様な素敵な光景でした。春には桜でいっぱいになるそうです。階段横には斉藤工さんの植えた記念樹がありました。絵になる駅ですもんね、撮影に使われるのも良くわかります。小さな可愛いロマンチックな駅でした。

能登半島は半島途中までしか電車が通っていないのでなかなか手軽に行かれないけれど、それだけに人も少なく海岸ドライブはとても良かったです。金沢を拠点に和倉や輪島で一泊するとゆっくり見て周れる大きさです。

2017年8月21日

ヒスイ海岸へ行って来ました

今年もお盆は北陸へ行って来ました。車だったので行きも帰りも無理のない距離をということで、糸魚川で一泊してののんびり旅です。

さて、なぜ寄り道に糸魚川を選んだのかと言いますと、ヒスイ海岸があるからなんです。近くにはフォッサマグナミュージアムもあり、ヒスイのことも勉強できるらしいのでずっと行きたいと思っていました。行きはお天鼓が悪く海も茶色い波が打ち寄せてましたが帰りはこの通り、石の海岸が綺麗です。

ヒスイに限らず綺麗な石が沢山あるので石拾いが楽しめます。波打ち際の濡れている石を探そうと思うと足がずぼずぼ埋もれて行くほど石だらけ。おまけに波が子供の拳ほどの大きな石を巻き込んで打ち寄せてくるので結構痛いんです。予備知識によれば、ヒスイ探しの狙い目は白くてスベスベ重い石。味の素状のキラキラがあったり、角ばっているものを探します。博物館で見たヒスイは所々緑色。お日様に当たるととても綺麗なんだそうです。でも緑色にはこだわらない方がいいそうなので、白い石を探します。

どぉですか?それらしく時々かざして見たりして、探して見ますがなかなかありません。重い石というのも大きい石はそれなりに重いのでなかなか難しいです。海岸は石だらけだし。ちなみにこの石は全然違います。こんな風に乾いた時に白く粉を吹いたようなものはただの石。

博物館に持って行くと学芸員さんが10個のみ、鑑定してくれます。この日はいらっしゃらなくてボランティアさんに見分け方を教えてもらいました。結果、ご覧の様に右側全部ただの石。行きに探したものも含めて3時間ぐらい探して本物はゼロ。大きな本物を触らせてもらって違いわかりました。予備知識がないと緑の石を探してしまいがちだそうです。10個の鑑定って結構ドキドキしますね。せっかく本物を拾っても捨ててしまうかもしれないし。

ヒスイはゼロでしたが一つだけ、宝石拾いました。瑪瑙(メノウ)です。水の中でキラキラしていてとっても綺麗だったので、ガラスかなとも思ったんですが拾っておいたもの。他の石にも名前をつけてもらったのでヒスイはなくても満足です。それに他の石にも興味が湧いて来て、博物館が身近でこんな風に町にあるっていいなと思いました。そういえば地元の博物館でも化石を見つけたら見てくれるって言っていたかも。

来年は石やヒスイをイメージしたデザインでオリジナルの日傘を作ろうかな。などとまた夢が広がっております。こうして石を眺めているとデザインのヒントやイメージが湧いてくるんです。水に濡らして窓辺に置いたら海岸にあった時のワクワク感も蘇ってくれると思います。因みに日傘屋だけど、石拾いには日傘よりも断然手ぬぐいに麦わら帽子派です。(笑)

2017年8月20日

涼しげなメダカの日傘

今日の日傘は涼しげな反物から。ご注文をお受けした時「日傘にするには透けてしまうし、ちょっと薄いんじゃないかしら。」とお話させていただいたんですが、この反物がとてもお気に入りとのことで、こうして日傘になりました。出来上がってみると、なるほどなるほど。このめだかのかわいさと言ったらたまりません。

小さなエサを指でちょんとつまんでと水に落としたら、あとはじっとキラキラ光る水面を眺めていたい。ゆっくりした時の流れにとっても癒されるメダカ柄。冷たい水も気持ちよさそうですね、まるで小さな池がそのまま日傘になってしまったような光景です。

そして心配していた生地の厚さは思っていたほど光を通しすぎることもありませんでした。まだまだ生地を判断するのに『美しい』と『難しい』が紙一重ですが、それだけに出来上がりには緊張感があって凛とした日傘に仕上がります。夏のコーディネートにひとつ加わると、これはきっとお会いした人の印象にも残りますね。着物のお供にとても素敵な日傘となりました。

2017年8月9日

染色家 内藤早苗さんの日傘

今日は久しぶりの青空。途端に日傘が恋しくなります。今日の日傘は染色家、内藤早苗さんの日傘です。今回もカッコいいですね。洋にも和にも似合いそうですね。今回もギリギリのご紹介になってしまいましたが火曜日まで、銀座の三越でお披露目されています。

3人展「涼を呼ぶ夏の暮らし」
注染 内藤早苗
籠 福田奈々子
ガラス 山下達己
8月2日(水)-8月8日㈫ 10:30-20:00
会場 銀座三越7階ジャパンエディション

2017年8月6日