念願の裁断台を大きくしました。これでやっと雨傘の裁断もできるようになりました。下の写真の木型は日傘用で、紙の型紙は紳士用雨傘。こんなに大きさが違うんです。ここだけの話、裁断作業、手が短いのでいっぱいいっぱいです。
「日傘製作中」カテゴリーアーカイブ
傘の修理@破れ
前回の傘のパンクに続いて修理のお話。
今日の日傘は、車でひいてしまい、骨が折れてしまったそうです。今シーズン使っただけですもの、ショックですよね。生地も破れて汚れてしまったとのこと。「お気に入りなので再び同じものを」とご注文をいただきました。壊れてしまったのは残念でしたが、お気に入りと言ってもらえたのが嬉しくて「まだ廃棄されていなければ張り替えをしてみませんか。」とご提案しました。
生地を送ってもらい、新しい骨に張ってみると、傷んだ三角のコマと骨の取り替えで復活できそうす。使える生地は、お洗濯で汚れを落とせば、またパリッと蘇ります。生地が破れていたのでちょっと大掛かりになりましたが分解して張り直しすることになりました。
お預かりしての洗濯はこんな風にばしゃばしゃ洗います。真似して洗うと、後で縮んで骨に入らなくなることもありますからご注意くださいね。市販品は骨から外れない物もありますからシャワーで汚れを落とす程度が無難かもしれません。そしてよ〜く乾かすこともお忘れなく。今頃の季節にこうして夏の汚れを落としておくと長持ちしますよ。
汚れも落ちてスッキリした日傘をお届けすると、諦めていた日傘が復活したと、とても喜んでいただきました。修理して大切に使ってもらえて嬉しいです。パラソラの日傘、不具合があったらぜひお知らせくださいね。修理は初期不良以外は有料になってしまいますが、メンテナンスして気持ちよく使ってもらえたらと思います。
忘れてました。傘の送料、意外に高いんです。1400サイズぐらいあります。そこが積極的にお洗濯や修理をお受けできない点なんです。
傘のパンク⁉︎
夏のラッピング
仕事場風景
6/30日からの神楽坂での展示に向けて準備に追われています。
今日の写真は自宅の仕事部屋です。手前は傘専用のミシン。奥は裁断台です。裁断は生地の目をみながらなので、光の入る明るい位置に置いてあります。ライトスタンドはミシン用にも、くるっと回して夕方裁断するときのお助けライトにも。欲を言えば裁断台はこの3倍の長さが欲しいところ。せめて2倍。反物の裁断が断然効率良くなります。でも狭いから動かずになんでも手に届くといういい点もあるんですけどね。居酒屋の女将みたいに狭い通路になんでも揃っています。(笑)
さて、神楽坂での作品展は、毎年テーマを決めて勉強してきた1年間の仕事をみてもらう機会でもあります。
2013年は日傘の形を綺麗に作ることが目標だったので、作品ではせめて生地で変化をとアフリカンプリントやアメリカンプリントの日傘を持って行きました。
2014年は素材を知るために反物集中で縫っていたので浴衣の日傘を中心に。
そして2015年は、張り方や生地を試しているので通常オーダーメイドではお受けしていないものと、オーダーメイドの参考にもしていただけるプリントものなどを少しづつお持ちします。それと色の綺麗な本染めの日傘。今まだ作ってますが…が、頑張ります。(汗)
期間中、オーダーメイドのご相談もお受けしています。生地もお預かりできますので、どうぞお持ちくださいね。お渡しが後日になるので、ご注文はネットショップをご利用いただけると助かります。14:00〜18:00 在廊の予定です。
6/30(火)〜7/11(土)
伊藤ノブコの「ひがさ展」
神楽坂 てまめ
新宿区袋町2番地 鈴木ビル1-C
11:00〜18:00 日曜定休
シーグラスの日傘
本日のノルマ
日傘のサイズ
先日お客様と傘のサイズについてお話ししました。巷では小さな日傘が主流のようで、「私の傘はもっと小さいわ。」とお客様。もちろん小さいサイズもありますが、もしかしたらサイズは変わらないかもしれません。なぜなら傘屋さんは傘を骨のサイズで呼ぶんです。47cmが主流です。広げた大きさはいろいろでも骨自体は同じだったりします。パラソラでも通常46〜47センチの骨に生地を張っています。よく見かける小さい日傘は全体にコンパクトで晴雨兼用の傘ですよね。持ち手の長さと、傘の先端部分が短くてカバンにもちょっとしまえて便利です。私も時々使っていますが傘部分のサイズは同じなんです。
それではなぜパラソラは大きな傘、いえいえ、大きくないですよ、ちょっと長い日傘を作っているのかと言うと、もうそれはただただ単純に「✳︎✳︎✳︎素敵だから」。
こんな日傘を探してた。という人にぜひ見つけてもらいたいんです。安定感のある木棒は使ってみると手首がとても楽で、風に対する安心感は全然違います。何より差した姿が美しい。棒の部分が長いので私はとても綺麗だと思うんですね。背の高い方ならなおのこと差しやすいとおもいます。
まずは実用的な日傘を1本。その次は楽しんでパラソラの日傘を選んでくれたら嬉しいなと思います。
仕事場@ビフォー
念願のミシンを購入して埼玉の仕事場もやっと作業環境が整って来ました。おかげで通勤の時間を制作に回せるようになって、サクサク日傘作りが進みます。小物用のミシンの他に傘用のミシン2台、それに伴うあれこれや傘の材料で一杯の狭いスペースですが、百均のフックやケースを駆使して使い易い仕事場になっています。ただ悩みはこの糸たち。皆さん糸の管理どうしてますか? 傘の場合は骨にとめる糸とミシン糸が別なのと、オーダーメイド用に使わない色もある程度揃えているので、結構な数になります。実はここに置けなくなった糸は足元にも置いてあるんです。上に置いておくと色が見えないので、つまづきそうになりながらも箱に入れて足元へ。シーズン前になんとかしておかないと大変なことになりますよね。(大汗)
そこで、今のうちに日曜大工で糸立て作りをしようと思います。なるべくビッシリ置けるようにと考えた図面でうまくできるかどうか。うまく収まったらアフター写真お披露目しますね。
ピンクの日傘
サンプル作りました
来週から始まる『桜の下のてならい堂』。ワークショップで作る紅型(びんがた)のサンプルを兼ねて、二葉苑さんで体験して来ました。
手前のグレーの糊止めした生地に色を差して行きます。簡単そうですがやってみると、なんのなんの奥が深い。見本を見ながら色をさしてみたんですが、好きな色を使えるのでグラデーションのついた賑やかな紅型を目指してみました。糊のついていないところだけに色が入るそうなのではみ出ても大丈夫。それにしてもどうなってしまっているのか。
沢山色を使っているうちにどうもイケてない気がして来ました。(;^_^A 冷静になってみると、もっと自分の使いやすいブルーをベースにすればよかったかもと、サンプルなだけに心配になって来ました。こんな私の染めで果たしてサンプル品になるんでしょうか。(大汗)
ところが、ところがですよ。できあがりが届けられると、どうです、どうです?
自画自賛ですが、いいんじゃないですかぁ〜♪
全然思ってたより紅型らしくなっています。よかった〜。
沢山色を使ったのも心配だったんですが、発色が綺麗なのでそれも賑やかでいい感じです。
もう一枚は見本に染めていただきました。同じ型なのに全然捉え方が違います。色の入れ方でデザインまで違って見えますね。これは楽しい。出来上がりを見た途端一気にテンション上がってしまって、あっという間に日傘に仕上げました。これまた雰囲気が変わりますね。染めていた時の心配をよそに、私の紅型も堂々として見えます。(笑)
素敵素敵‼︎。お着物の反物から作っただけのことはあって、素材が良いのでとても大人っぽい感じです。紅型体験、自由度が高くてとても面白かったです。
店頭でのお申し込みが一段落でWeb予約もまた再開されました。お申し込みはてならい堂さんのサイトから。
http://www.tenaraido.jp
そろそろ春色
日傘を、繕い裁つ人
昨日は、緊張するお仕事をしていました。
お預かりしたお着物の裁断作業です。もちろんいつも裁断は緊張するのですが、特に今回は小紋で滑りやすいと言うところがドキドキポイント。他の仕事を全て仕上げて集中です。
ところでみなさん、映画「繕い裁つ人」もうご覧になりましたか?
あの映画にもあった裁断シーン、あの凛とした感じが裁断する時に何度も頭の中をよぎりました。シュツシュツと文鎮置いてザクッザクッ。いつもならすごく緊張するところ、気持ちのいい音に乗って裁断開始。おかげで心なしかいつもよりスムーズに気持ち良く裁断できた気がします。職人の仕事は盗むものとよく言われますけど、映画からでも盗めるところいろいろあるんですね。いや、映画だからこそ強調されて見えてくるものがあるのかもしれません。体の使い方だけでなく呼吸、結構大事です。
他にも糸を解くシーンも印象に残っています。傘の場合は理想の張りが出るまで何度も張り直しを繰り返すので、どうしても解く作業が欠かせません。うまくいかないと生地に負担をかけるので焦りが出てくるんですが、それもあのシーンをイメージして冷静に冷静に。今日の小紋は縫いもバッチリ。これから骨に合わせて調整して行きます。一度で決まるといいんですけどね。こればかりは張ってみないとわかりません。
なんだかんだと、映画に影響されて腕が上がれば言うことなしです。
繕い裁つ人公式サイトへリンク
明後日水曜日は舞台挨拶もあるそうですよ。
アイデア出し
繕い裁つ人
久しぶりに映画を観てきました。新宿ピカデリー。中谷美紀さん主演の『繕い裁つ人』。古い足踏みミシンを踏む主人公に何処と無く親近感を覚えて行ってきました。
ストーリーは淡々としていて、心をゆり動かされるようなものではないですが、今の慣れきった生活にチャポンと小さな石を投げ込むような、そんな作品でした。
仕事柄でしょうか、共感することももちろんあるのですが、部屋の整理のされ方が気になって。生地をロールのまま立てておくのはこんな風にしたら使いやすそうとか、足踏みミシンは音は最高にいいけど直線縫うのは疲れるなぁとか、このあいだ足踏みミシンに巻いてあった針金に引っかかって新しい靴下破けたんだとか静かなだけに変なことを思い出して観てました。
実は昨日はワサビ・エリシさんでお客様のお買い物する樣子や作家さんとものづくりのお話をして時間を過ごした帰りだったこともあって、観終わってどこからどこまでが映画の中だったのか今日の出来事だったのかわからなくなるようなほっこり気分で帰ってきました。四半世紀ぶりぐらいに映画の待ち時間にお向かいの喫茶店ルノアールにも入ったのも影響したかな。
生地選びのポイント
着なくなったお着物に、もう一度スポットを当ててもらいましょう。と思っての今の時期のオーダー会。今週土曜日です。ぜひタンスの整理もかねて、考えてみてくださいね。
それでは、どんな着物が日傘に向いているのでしょうか。今日は日傘の生地についてご紹介します。
▶︎おすすめなのは昔ながらの浴衣
平織りの生地がパリッときれいな日傘に変身します。木綿やサマーウールなどもいいですね。
あまり難しく考えなくても、だいたいの着物は傘に張ることができます。ただ、きれいにできあがらないものもあるので次のような素材は避けてください。
▶︎縮みや絞りなどのびやすい生地
傘は三角のコマをつないでできています。斜めの部分がのびてしまうと、ゆるゆるのだらしのない形に仕上がり本来の魅力がなくなります。
▶︎厚みのある生地
閉じて巻いたときを想像してください。重くなり実用的ではありません。太くごついものは骨にも負担がかかります。刺繍のある生地も傘縫いのミシンに通りません。
▶︎目の粗い生地
こちらも斜めに引っ張るとのびるので、ゆるゆるになってしまいます。
▶︎古くもろくなっている生地
思っている以上にパンと張るので避けてしまうことがあります。虫食いなども穴が引っ張られて目立つようになることがあります。
思いつくことを書いてみましたが、作ってみないとわからないこともあって、思いがけないものができないこともあります。安心なのは浴衣、手ぬぐい、綿ブロード。
一見上質な着物の方が素敵になりそうですが、日傘に限っては浴衣、おすすめです。ただ最近のミシン縫いのお着物は幅が足りないこともありますので詳しくはご相談くださいね。
針仕事の専門店
ワサビ・エリシ 世田谷区羽根木1-21-27 亀甲新ろ59
12/20(土) 14:00〜16:00
*ほどき料が別途かかりますので、できる方はほどいてお持ちください。襟やおはしょりの細いところはほどかなくて大丈夫です。